2024年11月20日
労務・人事ニュース
厚生労働省が新たに危険ドラッグ成分4種を指定薬物に指定、11月16日から施行し流通防止策を強化!
危険ドラッグの成分4物質を新たに指定薬物に指定(厚労省)
厚生労働省は令和6年11月6日、新たに4種の危険ドラッグ成分を「指定薬物」として指定する省令を公布しました。これらの成分は、11月5日に行われた薬事審議会指定薬物部会での審議を経て、指定が適当と判断されたもので、11月16日から施行される予定です。施行後は、これらの物質を含む製品の製造、輸入、販売、所持、使用が、医療用途を除いて禁止されることとなります。
今回指定された物質は「ADB-5’Br-PINACA」「Flunitazene」「Metodesnitazene」「MD-PiHP」という名称で知られるもので、いずれも海外で流通が確認されています。これにより、厚生労働省は海外からの輸入や国内での乱用を防ぐため、特に水際対策を強化する方針を示しました。インターネットを通じた販売にも対応し、無承認無許可の医薬品として、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく取締りも徹底する予定です。
指定薬物は、人体に対して中枢神経系への作用が疑われ、健康被害の恐れがある物質として厚生労働大臣が指定するもので、違反者には3年以下の懲役または300万円以下の罰金(業務での違反の場合は5年以下の懲役または500万円以下の罰金)が科される可能性があります。パブリックコメントの手続きは省略され、迅速な指定が行われた背景には、薬事審議会における緊急性が求められたことがあり、法的な対応が早急に実施されることとなりました。
また、今回の措置により、厚生労働省は危険ドラッグの乱用による健康被害を防ぐため、インターネットでの不正な取引や個人間での売買に関しても厳重な警告を発しています。事業者に対しても、違法な薬物の販売、購入、輸入を行わないよう強い注意を喚起しています。こうした対策により、違法な薬物の流通経路を断ち、一般消費者が危険な薬物に触れる機会を減らすことを目指しています。
新たに指定された4つの危険ドラッグ成分の概要は以下の通りです。1つ目の物質「ADB-5’Br-PINACA」はN-(1-アミノ-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-5-ブロモ-1-ペンチル-1H-インダゾール-3-カルボキサミドという成分で、国内外で既に危険ドラッグとして流通が確認されている成分です。2つ目の「Flunitazene」は1-(2-ジエチルアミノ)エチル-2-(4-フルオロベンジル)-5-ニトロベンズイミダゾールであり、麻薬様の作用があり、海外で乱用が増加している成分です。3つ目は「Metodesnitazene」、成分名は1-(2-ジエチルアミノ)エチル-2-(4-メトキシベンジル)ベンズイミダゾールで、同様に健康被害が懸念されている成分です。最後の「MD-PiHP」は4-メチル-1-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-2-(ピロリジン-1-イル)ペンタン-1-オンで、作用の強い合成カチノン類として、乱用リスクが指摘されています。
厚生労働省の今回の措置は、特に若年層や一般市民に危険ドラッグが広まるのを防ぐために不可欠な対策とされています。指定薬物の一覧が更新されることで、現場での取締りや水際での検査もより効率化され、国内流通が抑制されることが期待されています。また、これらの物質のインターネット上での販売には厳しい監視が行われ、消費者が知らずに危険な成分を摂取してしまうリスクが減る見込みです。
今後も厚生労働省は、薬事法に基づき、危険ドラッグに関する調査と対策の強化を進める予定であり、特に新たに発見される成分についても速やかに対応していく構えです。この一連の措置は、消費者の安全を確保し、社会における健康被害の拡大を防ぐためのものであり、関係者にはその重要性が強く認識されています。事業者や輸入業者にとっては、今後さらに厳しい規制が進む中で、法令遵守の徹底が求められています。危険ドラッグの撲滅に向けた取り組みは、厚生労働省と関連機関の連携によって、今後も継続的に行われる予定です。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ