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2025年1月9日

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和歌山県 70歳までの就業確保率31.4%、大企業の取り組みが前年比5.4ポイント増加(令和6年6月1日時点)

令和6年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します(和歌山労働局)

令和6年、和歌山労働局が実施した「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果が公表されました。この報告は、企業が高齢者の雇用を確保するための施策をどのように実施しているかを評価するもので、従業員21人以上の企業1,644社からのデータを基に集計されています。報告の背景には、高年齢者の雇用安定法(昭和46年法律第68号)に基づく取り組みがあります。この法律では、65歳までの雇用確保を義務づけるとともに、70歳までの就業機会を可能な限り提供することを求めています。

今回の調査では、65歳までの雇用確保措置を講じている企業の割合が99.7%と高水準であることが明らかになりました。中でも、「継続雇用制度の導入」によってこの措置を実施している企業は65.1%を占めましたが、前年より2.4ポイント減少しており、「定年の引上げ」を行った企業の割合は30.8%で、2.9ポイントの増加が見られました。一方で、70歳までの就業確保措置を実施している企業は31.4%と、まだ低い水準にとどまっています。しかし、この数字は前年比で3.2ポイント増加しており、特に大企業では5.4ポイント増加していることが特徴的です。

また、企業の規模別に見ると、21~300人規模の中小企業の99.7%が65歳までの雇用確保措置を実施しており、大企業では100%に達しています。さらに、希望者全員を対象とする継続雇用制度を導入している企業は87.0%と高い割合を示しており、中小企業では87.6%、大企業では72.3%と規模による違いが確認されました。

定年制に関しては、65歳以上を定年とする企業の割合が34.8%で、前年より2.3ポイント増加しています。内訳としては、65歳を定年とする企業が25.8%、70歳以上を定年とする企業が3.2%となっています。これに対し、定年制を廃止した企業は全体の4.1%にとどまっています。

高齢者の雇用確保措置をさらに詳細に見ると、特定の基準に基づいて対象者を限定する継続雇用制度を導入している企業は13.0%で、大企業では27.7%と高い傾向がありました。一方、対象者を限定せず、希望者全員を対象とする継続雇用制度を導入している企業は圧倒的に多く、特に中小企業でその傾向が強いことがわかります。

このような取り組みは、生涯現役社会の実現を目指す中で重要な役割を果たしていますが、まだ課題も残っています。70歳までの就業確保措置では、定年制の廃止や定年の引上げを実施している企業はそれぞれ4.1%と3.2%にとどまり、多くの企業が「継続雇用制度の導入」に頼っている状況が見られます。この点について、今後さらなる支援策や指導が必要とされるでしょう。

和歌山労働局は、これらの措置を実施していない企業に対して、労働局やハローワークを通じた指導や助言を引き続き行うとしています。企業側としても、高齢者の雇用を確保することは、労働力不足の解消や多様性のある職場環境の構築に寄与する重要な取り組みです。今後も法的義務を遵守しつつ、高齢者が働きやすい職場づくりを進めることが求められています。

⇒ 詳しくは和歌山労働局のWEBサイトへ

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