2024年7月23日
労務・人事ニュース
国土交通省、令和5年度の営繕工事で週休2日達成率98.4%!働き方改革の取り組みを強化
令和5年度完成工事の98%以上で週休2日を達成! ~営繕工事における「週休2日促進工事」の取組状況について~(国交省)
令和6年7月12日、大臣官房官庁営繕部計画課は、令和5年度に完成した工事の98%以上で週休2日を達成したことを発表しました。この成果は、週休2日促進工事に取り組むことの一環として、国土交通省が実施したモニタリングによって明らかにされました。前年度と比較しても高い達成率となっており、今後も受注者へのアンケート結果などを基に発注者の対応について必要な改善を図り、「月単位の週休2日」の確保に向けた取り組みを推進していく予定です。
まず、営繕工事における週休2日の取り組みは、政府の「働き方改革実行計画」に基づき、平成29年度から始まりました。これにより、週休2日確保の阻害要因を把握し、改善策を検討するためのモニタリングが行われてきました。平成30年度からは、労務費補正などの試行を行う「週休2日促進工事」を導入し、取り組みの拡大を図りつつ継続してモニタリングを実施しています。
令和5年度に完成した工事128件のうち、126件(98.4%)で週休2日が達成されました。これは前年度の97.1%(172件中167件)から1.3ポイントの増加となります。週休2日を達成できた主な要因として、「受発注者間で円滑な協議が実施されたため」と「適正な工期設定がなされたため」が多く挙げられました。一方で、週休2日を達成できなかった要因としては、「職人の確保が困難であったため」などが挙げられています。
今年度からは、工期中の全ての月において4週8休以上を目指す「月単位の週休2日」の確保に向けた取り組みが推進されています。これにより、工事発注前の案件形成段階から施設利用者等と十分に調整を行うなど、発注者の対応について必要な改善が図られます。
週休2日を達成した工事の具体的な事例としては、受発注者間で図面関係や工程調整、現場作業間調整が円滑に進められたことや、ASPの活用による工事書類の提出と監督職員の指摘事項への対応が円滑に行われたことが挙げられます。また、早期に工程を確立し実施したことや、十分な製作期間と施工時間を確保できたことも成功の要因となりました。これにより、使用者との事前調整がしっかりと行われ、日程調整が可能となったのです。
さらに、機器関係の納期が考慮された工期設定や、発注者対応が迅速であったことにより、工事中に回答待ちで作業が中断することがなかったことも重要な要因です。協力業者に週休2日を周知し、週休2日を前提に工程を計画して作業員の人数を調整できたことも成功に寄与しました。
週休2日を達成できなかった要因としては、特定の工種で必要な人数の職人を確保できなかったことや、作業員の病休があったことが挙げられます。これらの要因に対しては、さらなる改善策が求められます。
今後も国土交通省は、アンケート結果などを踏まえながら、週休2日の確保に向けた取り組みを推進し続けます。特に、執務並行改修などで施工上の制約となる条件については、工事発注前の案件形成段階から施設利用者等と十分に調整を行うことが重要です。これにより、発注者の対応について必要な改善が図られ、週休2日の確保がより一層進められることが期待されています。
最後に、今回の取り組みは、建設業界全体の働き方改革の一環として非常に重要なものであり、今後も継続して改善を図りながら、労働環境の向上を目指していくことが求められます。これにより、建設業界における労働者の健康と福祉が守られ、持続可能な労働環境が実現されることが期待されています。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ