2024年4月1日
労務・人事ニュース
国土交通省が捉えた建設業の現状 労働者不足の傾向と将来の労働市場に対する見通し
建設労働需給調査結果(令和6年2月分調査)について(国交省)
国土交通省が行った建設労働者の需給状況調査によると、全国の建設技能労働者には一部の職種で不足が生じていることが明らかになりました。この調査は、令和6年2月10日から20日の期間、建設現場で働く労働者の数を基にして行われました。
調査結果によれば、全国的には8種類の主要職種で1.7%の不足があり、これは前月の1.6%から0.1ポイント増加しました。さらに、前年同月と比較すると、0.7ポイント増加していることから、労働者の不足が深刻化している傾向が見られます。特に、北海道では3.4ポイントの増加があり、全国で最も不足が顕著でした。対照的に、北陸では3.0ポイントの減少が見られ、最も改善が見られる地域となりました。
東北地域においては、8職種の不足率が0.7%であり、これは前月の0.9%から改善されています。また、前年同月と比べると0.3ポイントの減少となりました。
建設業における労働者の確保に関する見通しでは、全国及び東北地域で「普通」と評価されており、今後数か月間は大きな変動がないことが予測されています。しかし、労働者の不足は引き続き業界にとって重要な問題であり、現場での残業や休日出勤が増加している現場も多く存在しています。
この調査は、建設業者が技能労働者を確保することを支援し、公共事業の円滑な進行と建設労働の問題解決を図るために行われています。毎月、建設現場で働く技能労働者の数を集計し、職種別、地域別に分析しています。これにより、建設業界における労働力の需給バランスの把握と、必要な対策の立案が可能になります。
国土交通省は、この調査結果を基に、建設業界が直面する労働力不足の問題に対応し、技能労働者の確保と育成を支援する方策を講じていく予定です。労働者の確保が困難な職種や地域に特化した対策が必要とされ、業界全体での取り組み強化が求められています。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ