2024年7月14日
労務・人事ニュース
国民生活基礎調査結果2023 児童のいる世帯18.1%に減少、生活「苦しい」世帯59.6%に増加

2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況(厚労省)
厚生労働省は、「2023年国民生活基礎調査」の結果を発表しました。この調査は、保健、医療、福祉、年金、所得など国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画・立案に必要な基礎資料を得ることを目的に実施されており、1986年から3年ごとに大規模な調査が行われています。今年は簡易な調査が実施され、全国から選ばれた約6万1千世帯と7千世帯を対象に6月と7月に実施されました。
調査結果の主なポイントとして、単独世帯の増加、児童のいる世帯の減少、1世帯当たりの平均所得の減少が挙げられます。
まず、世帯構造の変化についてです。2023年6月1日現在、全国の世帯総数は5445万2千世帯で、その中でも単独世帯が1849万5千世帯、全世帯の34.0%を占め、過去最高となりました。一方で、児童のいる世帯は983万5千世帯、全世帯の18.1%で、こちらは過去最少となっています。
次に、所得の状況です。1世帯当たりの平均所得金額は524万2千円で、前年の545万7千円から減少しました。また、生活が「苦しい」と感じる世帯の割合は59.6%に上昇し、前年の51.3%から増加しています。
65歳以上の者がいる世帯の状況では、全世帯の49.5%を占める2695万1千世帯が存在し、そのうち「夫婦のみの世帯」が最も多く、32.0%を占めています。また、高齢者世帯の構造を見ると、単独世帯が51.6%を占めており、女性の単独世帯が多いことが特徴です。
児童のいる世帯の詳細については、1人の児童がいる世帯が478万2千世帯、2人の児童がいる世帯が390万2千世帯、3人以上の児童がいる世帯が115万1千世帯と、それぞれの割合が示されています。
これらの結果は、少子高齢化が進行する日本社会の現状を如実に反映しています。特に単独世帯の増加と児童のいる世帯の減少は、今後の社会政策において重要な課題となるでしょう。
今回の調査結果は、厚生労働省のホームページでも公開されており、詳細なデータが提供されています。政策立案者や研究者にとって、これらのデータは非常に重要な資料となります。今後も定期的に行われる国民生活基礎調査を通じて、日本社会の変化を継続的にモニタリングし、適切な対策を講じることが求められます。
最後に、国民生活基礎調査の詳細について興味がある方は、厚生労働省の公式サイトで詳細な結果を確認できます。調査結果は、保健、医療、福祉、年金、所得など幅広い分野にわたり、多くのデータが含まれています。これにより、国民の生活状況を包括的に把握することが可能となり、政策の策定に役立てることができます。
この調査は、国勢調査区から無作為に抽出された地区を対象に行われ、世帯票と所得票の2種類の票が使用されます。調査の実施方法は、調査員が各世帯を訪問し、調査票を配布して回答を得る方法が取られています。また、オンラインでの回答も可能となっており、デジタル化が進む中で利便性の向上が図られています。
世帯票では、単独世帯の状況や家計支出、就業状況などが調査され、一方、所得票では、前年1年間の所得金額や課税状況、生活意識などが調査対象となります。これらのデータは、国民の生活状況を詳細に把握するための貴重な情報源となっています。
今回の調査結果を基に、今後の政策立案に活かすため、具体的な施策の検討が進められることが期待されます。特に、高齢化や少子化に対する対策、所得格差の是正、生活支援策など、多岐にわたる課題に対して、実効性のある施策が求められています。
このように、2023年国民生活基礎調査の結果は、日本社会の現状と課題を明らかにし、今後の政策立案において重要な指針となるものです。調査結果を詳細に分析し、社会全体の福祉向上に寄与するための具体的な取り組みが求められています。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ