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2024年12月7日

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国立大学志願者数増加、私立大学は減少―令和6年度大学入試の動向

令和6年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要(文科省)

令和6年度の国公私立大学および短期大学入学者選抜に関する実施状況が明らかになりました。この結果は、少子化の進行や教育環境の変化が進む中で、日本の高等教育機関が直面している課題を浮き彫りにしています。以下では、大学および短期大学の動向について詳細に分析します。

まず、国公私立大学における志願者数の全体像を見ると、入学志願者数は約4,241,900人となり、前年の4,279,100人から減少しました。志願倍率も前年の6.9倍から6.8倍へと低下しており、受験者数全体の減少傾向が続いています。特に注目すべきは、国立大学では志願者数が362,308人と前年の358,585人から増加している一方で、公立大学と私立大学ではそれぞれわずかに減少している点です。国立大学の志願倍率は3.8倍と前年と同じ水準で安定している一方、公立大学では4.6倍、私立大学では7.5倍とそれぞれ低下しました。特に私立大学は全志願者数の約9割を占めており、この減少が大学全体の志願者数に大きく影響しています。

次に、総合型選抜については、入学者数が前年の92,393人から98,520人へと増加しました。これは、国立、公立、私立大学すべてで入学者数が増加していることが背景にあります。国立大学では入学者数が5,981人となり、前年の5,744人から増加しました。公立大学でも1,611人が入学し、前年の1,445人から増加しています。さらに、私立大学では90,928人が入学しており、前年の85,204人から大幅に増加しました。この増加の要因として、総合型選抜が従来の学力偏重型の選抜方式に比べて多様な能力や個性を評価する仕組みを持つことが挙げられます。各大学が求める学生像に応じた選抜を実施していることが、受験生の関心を集めているようです。

一方で、学校推薦型選抜では全体の入学者数が減少しています。総計では214,549人がこの方式で入学しており、前年の224,473人から減少しました。国立大学では12,242人が学校推薦型選抜で入学し、前年の12,015人から微増しましたが、公立大学では9,267人が入学し、前年の9,083人から増加しています。これに対し、私立大学では193,040人が入学し、前年の203,375人から減少しました。特に私立大学における減少が顕著であり、少子化の影響に加え、多様な選抜方式の導入が影響を与えていると考えられます。

短期大学の入試状況についても触れる必要があります。短期大学の志願者数は41,475人となり、前年の49,060人から減少しました。志願倍率も0.9倍と前年の1.0倍から低下しています。公立短期大学では志願者数が3,759人となり、前年の4,041人から減少しましたが、私立短期大学では37,716人となり、前年の45,019人から大幅に減少しました。この減少は、短期大学全体での入学者数の減少を反映しており、定員充足率が大きな課題となっています。

総合型選抜については、公立短期大学で入学者数が増加したものの、私立短期大学では減少しました。全体の入学者数は10,905人となり、前年の11,905人から減少しています。学校推薦型選抜では、全体で16,314人がこの方式で入学し、前年の19,603人から減少しました。公立短期大学では927人が入学し、前年の924人からわずかに増加しましたが、私立短期大学では15,387人が入学し、前年の18,679人から減少しています。

これらの結果は、日本の高等教育が抱える複数の課題を示唆しています。少子化の進行に伴い、大学や短期大学における志願者数の減少が避けられない一方で、入試方式の多様化が一定の成果を上げています。しかし、地域差や学費負担などの要因により、特に私立大学や短期大学での志願者数減少が顕著であり、教育機関ごとの対応が求められます。各大学が学生の多様なニーズに応えつつ、魅力的な教育環境を提供することが、今後の重要な課題となるでしょう。

⇒ 詳しくは文部科学省のWEBサイトへ

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