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2024年9月9日

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地方公共団体のインフラ修繕未着手問題、全国で47%の橋梁が依然対応待ち

橋梁等の2023 年度(令和5年度)点検結果をとりまとめ ~道路メンテナンス年報(2巡目)の公表~(国交省)

2023年度末において、道路管理者が実施した橋梁やトンネルなどの点検結果に基づく報告書が公開されました。この報告書では、2014年に改正された道路法に基づいて実施された2巡目の点検結果と、その後の対応状況が詳細に示されています。特に注目すべきは、判定区分ⅢおよびⅣに分類された施設の修繕進捗状況や、今後のメンテナンス計画についてです。

まず、2023年度末までに実施された2巡目点検では、全国の道路管理者によって橋梁の99.4%、トンネルの98.6%、道路附属物等の99.3%が点検されました。この点検結果に基づいて、早期または緊急に措置を講ずべきとされた施設についても調査が行われています。具体的には、橋梁においては判定区分Ⅲが8%、判定区分Ⅳが0.1%、トンネルでは判定区分Ⅲが29%、判定区分Ⅳが0.2%となっており、全体として施設の安全性が大きく確保されていることがわかります。

次に、修繕等の措置状況に関しては、国土交通省や高速道路会社が管理する施設では高い進捗率が示されている一方で、地方公共団体が管理する施設においては未着手の施設が残っていることが課題となっています。具体的には、橋梁に関しては、地方公共団体による措置着手率は全体で47%にとどまっており、完了率はわずか21%です。トンネルについても同様の傾向が見られ、地方公共団体の完了率は29%となっています。このため、特に地方公共団体において、計画的な修繕や対策の強化が求められています。

さらに、橋梁やトンネルの老朽化の進行に伴い、今後の修繕需要が増加することが予想されます。例えば、2023年度末の点検では、建設後50年以上が経過した橋梁の割合が41%から42%に増加しており、判定区分Ⅲ・Ⅳに該当する橋梁の数は着実に減少しているものの、依然として約56,000橋が修繕を必要としている状況です。トンネルについても同様で、建設後50年以上が経過した施設の割合が21%から27%に増加していることが報告されています。

一方、判定区分ⅠまたはⅡとされた橋梁やトンネルに関しては、次回の点検までに措置が講じられないまま経過してしまった場合、これらの施設が判定区分ⅢまたはⅣに移行する可能性が高まります。これは特に老朽化が進行している施設で顕著であり、修繕の遅れが重大なインフラ問題を引き起こすリスクがあることを示唆しています。

このような背景から、道路管理者には、定期的な点検とともに、予防保全の観点から計画的な修繕を進めることが求められています。特に、地方公共団体における修繕対応が遅れている現状を踏まえ、国や地方自治体が連携して早急に対策を講じる必要があります。こうした取組みによって、全国の道路インフラの安全性と持続可能性を高めることが期待されます。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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