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2024年9月20日

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地球温暖化が7月の記録的高温を引き起こした確率は11.2%、最新の研究結果が示す異常気象の真実

令和6年夏の記録的な高温や大雨に地球温暖化が寄与 -イベント・アトリビューションによる速報-(文科省)

令和6年夏、日本各地で記録的な高温と豪雨が発生し、その背景には地球温暖化が大きく寄与していることが明らかになりました。7月には、気象庁の統計開始以降で最高となる高温が記録され、特に東日本や北日本での影響が顕著でした。さらに、7月下旬には山形県や秋田県を中心に線状降水帯が発生し、甚大な豪雨災害が発生しました。これらの異常気象の発生頻度や強度を分析するため、文部科学省の気候変動予測先端研究プログラムでは、イベント・アトリビューション(EA)手法を用いた解析が行われました。

この研究の一環として、令和6年7月の高温イベントについて、地球温暖化がどの程度寄与したかを定量的に評価しました。その結果、現実的な気候条件下では、この高温イベントの発生確率が約11.2%であったことが判明しました。これは、過去30年間の発生確率8.3%と比較して高い数値であり、今年の高温が周辺の海面水温の上昇などの影響で発生しやすくなっていたことが示されています。一方で、地球温暖化の影響がなかったと仮定した場合、この高温イベントはほぼ発生しなかったことも明らかになりました。これは、地球温暖化が今回の異常な高温に強く影響していたことを示しています。

また、7月24日から26日にかけて山形県周辺で発生した豪雨についても、EA手法を用いて地球温暖化の影響を評価しました。この解析では、地球温暖化がなかった場合と比較して、48時間積算雨量が20%以上増加していたことが確認されました。これにより、豪雨の強度が地球温暖化によって増幅されていたことが明確になりました。

イベント・アトリビューション(EA)手法は、極端な気象現象の発生確率や強さに対する人為起源の地球温暖化の影響を定量的に評価するための手法です。過去には、こうした評価が迅速に行われることが難しかったため、研究結果が出るまでに数か月を要することがありました。しかし、今回の研究では、気象庁の「3か月予報データ」を活用することで、気象条件を事前に予測し、それに基づいた大量のシミュレーションを準備することで、迅速なEAの実施が可能となりました。この手法は、令和6年夏の異常気象に対する迅速な解析に大きく寄与しました。

さらに、今後の取り組みとして、より高解像度な予測型のEA手法を開発し、都道府県単位での高温や大雨イベントの発生確率や強度を評価することが計画されています。また、豪雨などの極端現象に加え、それに起因する洪水などの水災害までを対象としたEAの拡張研究も進められています。これにより、地球温暖化の影響をさらに詳細に評価し、迅速かつ効果的な情報発信が可能になることが期待されています。

このような研究成果は、地球温暖化が私たちの日常生活に与える影響を理解するための重要な科学的基盤となります。文部科学省は、これらの研究を通じて、地球温暖化の進行を現実の問題として捉え、個々の行動が地球温暖化対策に貢献できるよう、国民への理解を深める取り組みを続けています。今後も、気候変動に関する科学的知見を充実させ、適応策を推進することで、より持続可能な社会の実現を目指していくことが重要です。

⇒ 詳しくは文部科学省のWEBサイトへ

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