2024年8月11日
労務・人事ニュース
地震調査委員会、日本海側海域活断層の詳細評価を公表、地域防災対策の重要性を強調
日本海側の海域活断層の長期評価 ―兵庫県北方沖~新潟県上越地方沖―(令和6年8月版)(地震本部)
日本海側の海域活断層に関する最新の長期評価は、地震調査研究推進本部地震調査委員会によって進められています。今回の評価は、兵庫県北方沖から新潟県上越地方沖にかけての海域に分布する活断層を対象としており、特にマグニチュード7.0以上の地震を発生させる可能性がある断層に焦点を当てています。これらの活断層は、社会的や経済的に大きな影響を及ぼす可能性があり、調査研究の結果に基づき、詳細な評価が行われています。
今回の評価対象海域は、日本海南西部に続くものとして、兵庫県から新潟県にかけて広がる海域です。この地域の活断層は、これまでの地震探査や反射法地震探査のデータに基づいて、その位置や形状、さらにはそこで発生する地震の規模が評価されています。評価に用いられた反射断面データは、国立研究開発法人産業技術総合研究所や独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構、文部科学省のプロジェクトによって取得されたものであり、これらのデータは、断層の深部構造や活動性を明らかにするために使用されました。
特に注目されるのは、活断層が海底直下に与える上下変位の評価です。鮮新世以降の地層において5メートル以上の変位が確認された場合、その断層は活断層として認定されます。これにより、断層の活動が顕著であるとされる場所が特定され、その周辺地域での地震リスクが評価されています。
また、断層の深部構造については、反射法地震探査によるデータの他、既存の断層モデルや周辺の地質構造の情報が用いられ、断層面の形状や傾斜角が推定されています。これにより、断層の活動が予想される地域や、その影響範囲が明らかにされています。
評価の結果、対象となる海域活断層には、長さ20キロメートル以上のものが含まれており、これらは地震の発生時に震度6弱以上の揺れや1メートル以上の津波を発生させる可能性があるとされています。また、断層の活動が予想される場合には、その地震の規模や影響範囲についても評価が行われており、地域の防災対策に反映されることが期待されています。
今後の課題としては、評価対象海域の拡大や未評価の項目に対する評価が進められる予定です。これにより、日本海側の海域活断層に関する理解がさらに深まり、地域社会への影響を最小限に抑えるための対策が強化されることが期待されています。
さらに、今回の評価では、過去の地震活動や被害地震についても整理されており、これまでの地震観測結果や史料に基づいて、その概要が明らかにされています。特に、平成19年の能登半島地震や令和6年の能登半島地震など、近年の大規模地震についても評価が行われ、その震源位置や影響範囲が特定されています。
今後の評価では、地震の発生確率や平均変位速度、平均活動間隔など、現時点では未評価の項目についても検討が進められる予定です。これにより、地域社会における地震リスクの理解がさらに深まり、適切な防災対策が講じられることが期待されています。
この評価結果は、今後の防災計画や地域の災害対応策に重要な影響を与えると考えられます。特に、地震による被害を最小限に抑えるためには、地域住民や関係機関が協力して対策を講じることが重要です。また、地震の発生に備えて、日常的な防災教育や避難訓練の実施が求められます。
日本海側の海域活断層に関する評価は、今後も継続的に行われる予定であり、その成果は随時公表される予定です。地域社会における地震リスクの低減と、安心・安全な暮らしを実現するために、これらの評価結果が積極的に活用されることが期待されています。
⇒ 詳しくは地震本部のWEBサイトへ