2025年2月19日
労務・人事ニュース
埼玉県 令和6年度の大学生内定率77.0%、前年より2.2ポイント上昇!(令和6年12月1日現在)
令和7年3月新規大学等卒業予定者の就職内定状況(令和6年12月1日現在)(埼玉労働局)
埼玉労働局が実施した最新の調査によると、令和6年12月1日時点における大学・大学院・短期大学・専門学校卒業予定者の就職内定率が発表された。調査は埼玉県内の大学38校、大学院27校、短期大学11校、専門学校58校を対象に実施され、各校の協力のもと、学生の報告をもとに内定状況を取りまとめたものとなっている。
大学卒業予定者の内定率は77.0%で、前年同期の74.8%から2.2ポイント上昇した。これは景気回復の影響や、企業の採用意欲の高まりが背景にあると考えられる。一方で、大学院生の内定率は74.7%となり、前年の80.7%から6.0ポイント減少した。特に文系の大学院生は内定獲得が厳しくなっており、理系の学生と比べて就職活動において苦戦していることがうかがえる。
短期大学卒業予定者の内定率は63.1%で、前年の65.1%から2.0ポイント低下した。短期大学はもともと女子学生の割合が高く、就職先が限られることが要因の一つと考えられる。特に事務職志望者が多い傾向にあり、企業側の採用枠が減少すると影響を受けやすい状況が続いている。
専門学校卒業予定者の内定率は69.7%で、前年の68.6%から1.1ポイント上昇した。専門学校生は資格を活かした職業に直結するケースが多いため、一定の就職安定性があるものの、業界によっては求人の変動が大きく、就職活動の時期や選択肢に左右される傾向が強い。
また、今回の調査結果では、男女別や文理別の内定率についても分析されている。大学生の内定率は男子75.2%、女子79.3%となり、女子の方が内定を得やすい状況が続いている。これは、近年の企業の採用方針の変化や、女性活躍推進の影響もあると考えられる。大学院生については、男子81.3%に対し、女子55.2%と大きな差が見られた。これは、特に文系の大学院生が就職活動に苦戦する傾向があり、企業側のニーズと学生の専攻との間にミスマッチが生じていることが要因と考えられる。
理系と文系で比較すると、理系学生の内定率は全体的に高く、特に専門職や技術職に強い分野では高い就職率を維持している。一方で、文系学生は企業側の採用枠の影響を受けやすく、景気の動向に左右される傾向がある。企業の採用担当者にとっても、採用計画を立てる際には、文理や専攻分野ごとの就職率の違いを考慮することが重要となる。
今回の調査結果は、企業の採用戦略においても重要な指標となる。埼玉県内の大学・大学院・短期大学・専門学校の就職状況は、業界や業種によって異なるため、企業が優秀な人材を確保するためには、早期からの採用活動やインターンシップの活用が鍵となる。また、学生側にとっても、業界研究や企業研究を徹底し、企業側のニーズに合ったスキルや資格を取得することが求められる。
埼玉労働局では、今後も定期的にこの調査を実施し、最新の就職状況を把握するとともに、企業と学生のマッチングを支援する取り組みを強化していく方針を示している。企業の採用担当者にとっても、このようなデータを活用することで、より効果的な採用計画を策定し、必要な人材を確保するための指針となるだろう。
⇒ 詳しくは埼玉労働局のWEBサイトへ