2024年6月17日
労務・人事ニュース
夏の職場での作業を快適に!手足の冷却とスプレーによるプレクーリングの効果的な方法
【職場における熱中症予防】6.プレクーリング(厚労省)
職場での熱中症予防には、プレクーリングという方法が効果的です。プレクーリングとは、作業前に体を十分に冷やしておくことで、作業中の体温上昇を抑える熱中症対策です。プレクーリングには、体の外部から冷やす方法と内部から冷やす方法があります。
外部から体を冷やす方法の一つにクールベストの使用があります。クールベストは冷却剤や冷水で直接体を冷やし、体温上昇を抑えます。冷却効果は、冷却剤と体との接触面積が広いほど、また冷却剤の温度が低いほど高まります。また、手や足を冷却する方法もあります。手足を冷やすと、冷やされた血液が体内を巡り、全身が冷却されます。効果的な水温は10~15度で、それ以下の温度では血管が収縮し冷却効果が得られにくくなります。冷却は10分程度の時間をかけて休憩中に行うと良いでしょう。
さらに、全身にスプレーで水を吹きかけ、扇風機で風を送ることで、体の内部温度上昇を抑えることができます。この方法は、脱水症状の軽減にも効果があります。スプレーと手足の浸水を組み合わせて行うことがポイントで、少なくとも15分程度行う必要があります。
内部からの冷却方法としては、アイススラリーの摂取があります。アイススラリーは微細な氷と液体が混じり合った飲料で、水よりも冷却効果が高く、飲みやすいのが特徴です。一度に大量に飲むと胃腸に負担をかけるため、100g程度を少しずつ数回に分けて飲むのが適しています。市販のアイススラリーを利用するほか、スポーツ飲料と凍らせたスポーツ飲料をミキサーにかけて自作することもできます。
研究によると、活動前にアイススラリーを飲むことで、イオン飲料を飲んだ場合と比べて体内部の温度上昇が抑えられ、汗による体の水分損失も減少することが分かっています。このように、プレクーリングは複数の方法を組み合わせることで、その効果を最大限に引き出すことができます。
作業内容や作業環境に応じて、適切な冷却方法を取り入れることが大切です。例えば、ファンで外気を吸い込んで汗を蒸発させ、その気化熱で涼しさを感じることができるヘルメットや作業服なども熱中症予防に効果的です。また、冷却グッズはレンタルも可能なものがあるため、必要に応じて活用すると良いでしょう。
これらの対策を活用し、作業開始前にプレクーリングを行うことで、職場での熱中症を予防しましょう。
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