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2024年9月28日

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大企業の景況感、2期ぶりに0.4%上昇!中小企業は依然厳しい見通し

法人企業景気予測調査(令和6年4~6月期調査)結果の概要(財務省)

2024年6月13日に発表された「法人企業景気予測調査」の結果は、企業の景況感や雇用状況、収益に関する重要なデータを提供しています。この調査は、内閣府と財務省によって実施され、企業の経済活動を把握し、今後の景気見通しを明らかにすることを目的としています。調査結果は、景気全体の動向を判断する際の重要な指標として注目されており、各企業の経営者や採用担当者にとって有益な情報を提供しています。

まず、調査の中核となる「貴社の景況判断」に注目すると、大企業は2024年4月から6月期に0.4%のポイント増加を示し、2四半期ぶりに「上昇」超に転じました。これは、2023年10月から12月期以降初めての上昇となり、企業の景況感が改善していることを示しています。一方で、中堅企業や中小企業に関しては、引き続き「下降」超の状態が続いており、特に中小企業は、2024年10月から12月期に上昇に転じる見通しが立てられています。製造業と非製造業を比較すると、大企業では特に非製造業の運輸業や郵便業が大きな寄与を示し、運輸業は10.5%ポイントの上昇を記録しました。一方、建設業や情報通信業では減少が見られ、景気全体の見通しにはばらつきがあることが明らかになっています。

次に、国内全体の景況感に目を向けると、2024年4月から6月期において、大企業の景況感は5.8%ポイントの上昇を記録し、5期連続で「上昇」超となりました。これは、企業全体が国内経済の回復基調にあることを示唆しています。特に、中堅企業は同期間において「上昇」超に転じる見通しが強まっており、今後の景気動向に期待が高まっています。一方で、中小企業は依然として「下降」超の状態が続いており、特に地方や小規模事業者にとっては、今後の経済環境の変化に備える必要があります。

雇用状況についても注目すべき点があります。2024年6月末時点での「従業員数判断」では、大企業の25.7%ポイントが「不足気味」超を示しており、これは平成23年以降52期連続の「不足気味」超となっています。これは、労働市場全体における人材不足が引き続き深刻であることを反映しています。また、中堅企業や中小企業においても「不足気味」超の状態が続いており、特に製造業やサービス業では、今後も人材確保が重要な課題となるでしょう。企業は、競争力を維持し、成長を続けるために、今後の採用戦略を強化する必要があります。

次に、企業の収益状況について見てみましょう。2024年度の売上高は、前年比2.6%の増加が見込まれており、特に製造業と非製造業の両方で増収の見通しが立てられています。しかし、経常利益に関しては、同年度で1.8%の減益が予測されており、特に製造業では14.7%の減少が見込まれています。これは、原材料費やエネルギーコストの高騰、世界的なサプライチェーンの問題が引き続き企業の収益に影響を及ぼしていることを反映しています。中でも自動車産業や化学工業では大幅な減益が予想されており、各業界はコスト管理の強化や生産効率の向上が求められています。

さらに、設備投資の動向についても興味深いデータがあります。2024年度の設備投資額は前年比12.1%の増加が見込まれており、製造業と非製造業の両方で投資が増加すると予想されています。特に化学工業や運輸業、郵便業では設備投資が大幅に増加しており、これらの業界では生産能力の拡大や技術革新が進んでいることが伺えます。また、設備投資のスタンスとしては、大企業では「維持更新」が最も重要視されており、その次に「生産(販売)能力の拡大」や「省力化合理化」が続いています。中小企業では「生産(販売)能力の拡大」が最も重視されており、これらの企業は成長を続けるために積極的な投資を行うことが予測されます。

最後に、資金調達方法についても重要な情報が提供されています。2024年度の資金調達に関しては、大企業では「内部資金」が最も重要視されており、次いで「民間金融機関」や「リース」が続いています。中堅企業や中小企業においても、内部資金の重要性が高まっており、特に中小企業では民間金融機関からの融資が重要な資金源となっています。これは、各企業が外部からの資金調達に頼るのではなく、内部での資金管理を強化し、効率的な経営を目指していることを示しています。

この調査結果は、企業の景況感、雇用状況、収益見通し、設備投資、資金調達方法など、広範な分野にわたる重要なデータを提供しており、企業経営者や採用担当者にとって非常に有益な情報となるでしょう。特に、企業が今後の経済環境にどのように適応していくかを考える際、これらのデータは戦略的な意思決定を行う上で欠かせない要素となります。

⇒ 詳しくは財務省のWEBサイトへ

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