2024年7月10日
労務・人事ニュース
大分県の5月有効求人倍率1.31倍、前月比0.02ポイント減少の背景と詳細分析
大分県の雇用情勢(令和6年5月分)(大分労働局)
令和6年5月の雇用情勢に関する最新の統計が大分労働局から発表されました。この報告では、求人数や求職者数、有効求人倍率、雇用保険受給者の状況など、多岐にわたるデータが示されています。今回のデータから、地域ごとの雇用状況や変動傾向が明らかになっています。
まず、有効求人倍率の状況についてです。令和6年5月の有効求人倍率(季節調整値)は、1.31倍となりました。これは前月比0.02ポイントの減少です。有効求人数は24,242人で前月比0.8%減少し、一方で有効求職者数は18,478人で前月比0.7%増加しました。これにより、有効求人倍率がわずかに低下したことがわかります。なお、有効求人倍率は平成27年2月以降、112か月連続で1.0倍以上を維持しており、高水準を保っています。
次に、新規求人数についてです。新規求人数(原数値)は8,434人で、前年同月比で7.8%減少しました。産業別に見ると、医療・福祉分野での求人数は6.0%増加した一方で、建設業が11.1%減少、製造業が14.6%減少、情報通信業が11.3%減少するなど、多くの分野で求人数の減少が見られます。また、運輸業・郵便業が14.2%減少し、卸売業・小売業が5.7%減少するなど、各業界での変動が確認されました。
求職の状況に関しては、新規求職申込件数(原数値)が4,351件となり、前年同月比で2.0%減少しました。常用フルタイム新規求職者数は2,479件で、こちらも前年同月比で2.3%減少しています。内訳を見ると、在職者が794人(前年同月比2.8%増)、離職者が1,540人(前年同月比4.5%減)、無業者が145人(前年同月比4.6%減)となっており、特に離職者数の減少が顕著です。離職理由別では、事業主都合による離職が333人で前年同月比6.1%増加、自己都合による離職が1,139人で前年同月比7.2%減少しています。
ハローワーク別の有効求人倍率(原数値)では、大分所が1.50倍で最高値を記録し、宇佐所が0.90倍で最低値となりました。これらのデータから、地域ごとに雇用状況が大きく異なることがわかります。
最後に、雇用保険受給者の状況です。令和6年5月の雇用保険受給者実人員は4,914人で、前年同月比2.1%増加しました。このデータは、雇用保険の受給状況が改善していることを示しています。
全体として、令和6年5月のデータから、大分県の雇用状況において微妙な変動が見られることが明らかになりました。求人数の減少や求職者数の増加に伴い、有効求人倍率がわずかに低下しましたが、高水準を維持していることから、依然として安定した雇用環境が続いていることがわかります。また、業界ごとに異なる動きが見られ、特に医療・福祉分野での求人数の増加が顕著です。一方で、建設業や製造業、情報通信業など多くの分野で求人数が減少しており、これらの業界における雇用状況の変化が注目されます。
さらに、求職の状況に関しては、常用フルタイム新規求職者数が減少している一方で、在職者の求職が増加しています。これは、現在の職場に満足していない人々が新たな職場を求めている可能性を示唆しています。離職者の減少も見られ、特に自己都合による離職者が減少していることから、雇用の安定が進んでいることが伺えます。
ハローワーク別のデータを見ると、大分所での有効求人倍率が最も高く、宇佐所での倍率が最も低いことがわかります。これは、地域ごとに雇用の需要と供給が異なることを示しており、地域別の雇用対策が重要であることを示唆しています。
最後に、雇用保険受給者の増加は、雇用保険制度の利用が進んでいることを示しています。これは、雇用保険制度が求職者にとって重要なセーフティネットとして機能していることを示しており、今後もその役割が期待されます。
以上のデータを踏まえ、大分県の雇用状況についての理解が深まりました。引き続き、地域ごとの雇用動向や産業別の変動に注目し、適切な雇用対策を講じることが求められます。
⇒ 詳しくは大分労働局のWEBサイトへ