2024年11月26日
労務・人事ニュース
大学生の就職内定率が72.9%に低下、採用市場での新たな課題が浮上
令和7年3月大学等卒業予定者の就職内定状況(10 月1日現在)を公表します(厚労省)
厚生労働省と文部科学省が令和6年10月1日時点で行った調査によると、令和7年3月卒業予定者の就職内定率が明らかになりました。この調査は、全国の大学、短期大学、高等専門学校、および専修学校を対象に実施され、新卒者の就職活動の状況を把握するための重要なデータとして公開されました。
今回の結果によると、大学生の就職内定率は72.9%で、前年同期比で1.9ポイント減少しました。特に私立大学では73.3%と前年から2.3ポイント低下し、国公立大学でも71.4%とわずかに減少しました。一方で、短期大学生の内定率は42.3%と前年より2.4ポイント上昇し、回復の兆しが見られます。専修学校や高等専門学校の内定率も依然として高い水準を維持しており、専修学校では51.8%、高専では91.4%と報告されています。
男女別のデータでは、女子大学生の内定率は74.5%と男子の71.5%を上回っており、特に私立大学の女子学生では74.6%と比較的高い割合を記録しました。また、文系学生と理系学生の比較では、理系の内定率がわずかに高く、73.1%を記録。一方、文系は72.8%で、前年同期比2.2ポイントの減少となりました。
地域別のデータでは、関東地区の内定率が最も高く83.6%に達しましたが、他の地域では軒並み低下傾向が見られます。例えば、中国・四国地域では前年同期比で8ポイント減少し、特に地方の就職環境における課題が浮き彫りとなっています。
調査対象は全国112校で、大学62校、短期大学20校、高専10校、専修学校20校に及びます。調査方法としては、各校が抽出した対象学生に対して電話や面接で情報を収集し、就職希望の有無や内定状況などを詳細に確認しました。
新卒応援ハローワークや大学等の就職相談員との連携が引き続き強化される中、今回の調査結果を踏まえて、政府と教育機関が連携して就職支援策を進めていく意向が示されています。特に、地域別や業種別の内定率の違いを埋めるためには、さらなる支援の強化が必要とされています。
この結果は、就職活動中の学生だけでなく、採用を検討する企業にも重要な指針となるデータです。特に、内定率が下がっている分野では、採用活動の見直しや魅力的な求人条件の提供が求められるでしょう。企業にとっては、学生の関心を引くための戦略的な取り組みが、今後の採用成功の鍵となると考えられます。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ