2024年8月24日
労務・人事ニュース
大阪府最低賃金が50円上昇、10月から1,114円に!
⼤阪府最低賃⾦を50円引上げ 時間額1,114円に(大阪労働局)
大阪府は、令和6年10月1日から適用される新しい最低賃金を発表しました。今回の改正では、大阪府の最低賃金が1時間あたり50円引き上げられ、1,114円となります。この決定は、大阪地方最低賃金審議会による慎重な審議の結果として出されたもので、現在の経済状況や賃金支払能力を考慮しつつ、労働者の生活の安定を図ることを目的としています。
審議会では、大阪労働局長からの諮問を受け、7月2日から8月1日までの間に複数回の審議を行い、最終的に50円の引き上げを決定しました。この審議では、「労働者の生計費」、「賃金」、「通常の事業の賃金支払能力」という三つの要素が重視されました。特に、消費者物価指数が依然として高水準で推移していることや、勤労者世帯の消費支出の上昇、賃金上昇率が前年を上回っていることなどが引き上げの要因として挙げられました。また、中小企業や小規模事業者の価格転嫁の困難さも考慮され、最終的な引き上げ額が決定されました。
新しい最低賃金額の適用は大阪府全域に広がり、約319,000人の労働者がこの改正の影響を受けると見込まれています。これにより、最低賃金付近で働く多くの女性や有期雇用者、短時間労働者の待遇改善が期待されています。
改正後の最低賃金は、10月1日から適用され、企業はこの新しい基準に基づいた賃金の支払いを行う必要があります。大阪労働局は、この改正に伴い、中小企業・小規模事業者の負担を軽減するための助成金の充実や税制優遇措置の強化を政府に要望しています。特に、賃金引き上げに対応するための「キャリアアップ助成金」や「働き方改革推進支援助成金」などが充実される見通しです。
大阪労働局は、最低賃金の改正が円滑に進むよう、企業への周知や履行の確保に力を入れる予定です。これにより、最低賃金未満の賃金で働く労働者をなくし、全ての労働者が適切な賃金を受け取ることを目指します。また、労働者が年収の壁を意識せずに働けるよう、制度改善や保険適用の見直しにも取り組む方針です。
今回の最低賃金の改正は、企業経営にとっても大きな影響を与えることが予想されますが、大阪府全体の経済活性化や労働者の生活安定に寄与することが期待されています。今後も政府や大阪労働局は、中小企業の支援を強化し、最低賃金の引き上げによる経済全体への好影響を広げるための取り組みを進めていく予定です。
⇒ 詳しくは大阪労働局のWEBサイトへ