2025年2月10日
労務・人事ニュース
奈良県の外国人労働者数が1万人目前!前年比17.5%増の実態とは?(令和6年10月末時点)
外国人雇用状況の届出状況(令和6年10月末時点)の公表(奈良労働局)
奈良労働局は令和6年10月末時点の外国人労働者の雇用状況を発表し、前年同期と比較して17.5%の増加が見られた。具体的には、外国人労働者の総数は9,929人となり、雇用する事業所数も1,838社へと増加している。この背景には、企業の人手不足を補うために外国人労働者の受け入れを拡大していることがあると考えられる。
国籍別では、ベトナムが3,854人と最多を占めており、全体の38.8%を占めている。次いで中国(香港・マカオを含む)が1,174人、ミャンマーが1,007人、インドネシアが843人と続く。特にミャンマー出身者の増加率は52.1%と大幅に上昇しており、インドネシア出身者も49.7%の増加を記録している。この増加傾向は、技能実習生や特定技能ビザでの受け入れ拡大が影響している可能性が高い。
在留資格別に見ると、「技能実習」が最も多く3,324人(33.5%)を占め、次いで「技術・人文知識・国際業務」が1,661人(16.7%)、「特定技能」が1,351人(13.6%)、「資格外活動(留学含む)」が1,055人(10.6%)となっている。特に「特定技能」資格を持つ労働者は前年比63.2%増と急激に増えており、日本国内での即戦力として期待されていることが分かる。
産業別では、製造業が最も多く3,750人(37.8%)を占め、次いで医療・福祉分野が1,466人(14.8%)、卸売業・小売業が1,226人(12.3%)、宿泊業・飲食サービス業が916人(9.2%)となっている。特に宿泊業・飲食サービス業においては前年比78.6%増と大幅な増加を記録しており、コロナ禍からの回復に伴い外国人労働者の需要が高まっていることが推測される。
外国人労働者を雇用している事業所の総数は1,838社で、前年同期比で210社(12.9%)増加した。産業別では、製造業が461社(25.1%)と最も多く、卸売業・小売業が298社(16.2%)、建設業が233社(12.7%)、医療・福祉が231社(12.6%)、宿泊業・飲食サービス業が230社(12.5%)と続いている。
このデータから、日本国内の企業が外国人労働者の受け入れを拡大していることが明らかとなる。特に特定技能や技能実習といった制度を活用し、即戦力としての雇用が進んでいる。一方で、業種によっては外国人労働者の割合が増加し続けており、企業は労働環境の整備や日本語教育の充実など、受け入れ体制の強化が求められる。
今後、外国人労働者の雇用拡大はさらに進むと考えられるが、それに伴う課題として、言語や文化の違いによるコミュニケーションの問題、長期的な定着の難しさなどが挙げられる。企業はこれらの課題に対応するため、外国人労働者の研修制度の充実や生活支援の強化を進めることが求められるだろう。
⇒ 詳しくは奈良労働局のWEBサイトへ