2025年2月10日
労務・人事ニュース
奈良県の有効求人倍率は令和6年12月に1.20倍に上昇!前月比0.03ポイント増で採用意欲の高まりが続く
奈良県の一般職業紹介状況(令和6年12月分)について(奈良労働局)
奈良労働局が発表した最新の雇用統計によると、奈良県内の有効求人倍率は1.20倍となり、前月から0.03ポイント上昇したことが明らかになった。また、新規求人倍率は2.02倍で、前月から0.03ポイント低下したものの、依然として高水準を維持している。これらのデータは、求職者に対する企業の採用意欲が依然として旺盛であることを示している。
奈良県の就業地別有効求人倍率は1.38倍となり、前月から0.03ポイント上昇。県内での就職環境は安定的に推移している。一方、有効求職者数は18,361人で、前月比0.8%増加。一方で、有効求人数は21,942人で、前月から3.3%増加した。このことから、県内では求人の増加が求職者の増加を上回っている状況が続いている。
産業別に見ると、医療・福祉分野の新規求人数が2,738人と前年同月比13.6%増加し、特に社会福祉・介護事業の求人が伸びている。また、宿泊業・飲食サービス業の新規求人数も前年同月比13.9%増加し、サービス業全般での求人が活発化している。一方、建設業の新規求人数は前年同月比4.9%減少し、卸売・小売業の求人数も前年同月比17.1%減少するなど、業種による明暗が分かれた。
正社員の有効求人倍率は1.09倍で、前年同月から0.11ポイント上昇した。特に、正社員新規求人数は3,160人となり、前年同月比12.1%増加。新規求人全体に占める正社員求人の割合も44.9%と高い水準を維持しており、企業側も安定した雇用を求める動きが強まっていることが分かる。
離職者の動向を見てみると、事業主都合による離職者は367人で前年同月比0.3%減少した。一方、自己都合離職者は1,065人で、前年同月比11.7%減少。企業の雇用維持の姿勢が強まっていることが伺える。
また、奈良県の就職件数は960件で、前年同月比3.5%減少。このうち、正社員としての就職件数は319件で、前年同月比14.5%減少した。全体の就職件数に占める正社員就職の割合は33.2%となり、前年同月から4.3ポイント減少している。これは、非正規雇用の増加や、求職者の希望条件と企業の求人条件が合致しないケースが増えていることが影響している可能性がある。
雇用情勢の今後については、求人が求職を引き続き上回る状態が続くと予想されるが、物価上昇などの経済環境の変化が雇用に与える影響には注意が必要だと奈良労働局は指摘している。特に、サービス業や医療・福祉分野での採用が積極的に行われている一方、建設業や卸売・小売業の求人数が減少傾向にあるため、業界ごとの雇用動向を見極めることが求められる。
企業の採用担当者にとっては、奈良県内の求職者数の増減や求人倍率の推移を把握することで、適切な採用戦略を立てることが重要だ。特に、正社員求人の割合が高まる傾向にあるため、安定した人材確保を考える企業にとっては、積極的な採用活動の好機とも言える。
⇒ 詳しくは奈良労働局のWEBサイトへ