2024年9月13日
労務・人事ニュース
女性の労働力人口が3124万人に!企業が今取り組むべきダイバーシティ推進
令和6年版厚生労働白書 第2章 女性、若者、高齢者等の多様な働き手の参画(厚労省)
日本における労働市場は、女性、若者、高齢者、そして就職氷河期世代といった多様な働き手の参画を促進するため、さまざまな取り組みが行われています。これらの取り組みは、社会全体の持続可能な発展を支える重要な要素として位置づけられています。
まず、女性の労働市場への参加について、2023年の総務省統計局のデータによると、女性の労働力人口は3,124万人に達し、前年に比べて28万人増加しました。女性の労働力人口比率は54.8%となり、生産年齢人口(15~64歳)の女性の労働力人口比率は75.2%に達しています。これは、女性の社会進出が着実に進んでいることを示しています。また、女性の雇用者数も2,793万人に達し、全雇用者に占める女性の割合は46%を占めるまでになりました。
このような状況下で、政府は女性のさらなる活躍を支援するため、男女雇用機会均等法に基づく取り組みを強化しています。特に、職場におけるセクシュアルハラスメントや母性健康管理に関する問題について、2022年度には20,967件の相談が寄せられており、その対応が重要視されています。法的違反が認められた企業に対しては、都道府県労働局が迅速かつ厳正な指導を行い、是正措置を講じています。また、女性の職業生活における活躍を一層推進するため、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定が義務付けられ、企業には女性の活躍状況の情報公開も求められています。
若者の雇用状況も改善しています。2023年には、15~24歳の完全失業率は4.1%となり、25~34歳では3.6%となっています。特に、新卒者の就職率は大卒者で97.3%と高い水準にありますが、一方で、未就職者や卒業後も職を得ていない者も一定数存在するため、新卒応援ハローワークなどでの支援が重要視されています。また、若者と中小企業のマッチングを強化するため、若者雇用促進法に基づくユースエール認定企業制度が導入され、若者の適職選択と中小企業の採用支援が進められています。
高齢者の雇用についても積極的な取り組みが行われています。65歳までの定年引上げや、継続雇用制度の導入が義務付けられているだけでなく、70歳までの就業機会の確保を目指した努力義務も課されています。2023年6月1日時点で、21人以上の規模の企業の99.9%が65歳までの雇用確保措置を実施しています。さらに、高齢者の就業を促進するための支援も強化されており、公益財団法人産業雇用安定センターでは、高年齢退職予定者のキャリアを活用するための情報提供が行われています。
また、就職氷河期世代に対する支援も継続的に行われています。2019年の「就職氷河期世代支援プログラム」に基づき、2020年度からの3年間で集中的に取り組まれましたが、2023年度からは「第二ステージ」として、引き続き支援が行われています。全国の主要なハローワークには、就職氷河期世代専門窓口が設置され、キャリアコンサルティングや生活設計に関する相談が行われています。また、正社員経験が少ない者に対しては、特定求職者雇用開発助成金が支給され、正規雇用化が推進されています。
さらに、障害者や難病患者、高齢者に対する就労支援も強化されています。障害者雇用率は2023年に2.33%と過去最高を更新しており、民間企業では着実に障害者雇用が進展しています。国や地方公共団体においても、障害者雇用推進計画の策定や公表が義務付けられ、障害者雇用が進められています。
これらの取り組みを通じて、多様な働き手が社会に貢献し続けることが期待されています。日本の労働市場におけるこれらの政策は、経済の持続可能な成長を支えるための重要な基盤となっており、今後も継続的な支援と改善が求められます。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ