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2024年9月28日

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女性管理職比率30%超を実現、賃金格差平均20%縮小を達成した企業の取り組みと効果

第6回女性の職業生活における活躍推進プロジェクトチーム 資料4 厚生労働省 提出資料(厚労省)

2021年4月1日に厚生労働省が発表した「都道府県別の女性の就業状況」に関するデータは、女性の職業生活における活躍推進の現状を詳細に示しています。男女間の賃金格差や管理職に占める女性の割合、平均継続勤続年数など、さまざまな指標が示されており、地域ごとに大きな差が存在することが明らかになっています。これらのデータは、地域ごとの労働市場や産業構造の違い、または文化的な要因が影響している可能性があります。

特に、賃金格差は都道府県ごとに大きく異なり、最も格差が小さい地域と大きい地域では、その差が顕著です。平均して、男性の所定内給与額を100とした場合、女性の給与額は全国平均で86程度となっています。しかし、この数字は地域によって上下し、例えば東京や神奈川のような大都市圏では格差が比較的小さく、女性の賃金水準も高めに保たれています。一方で、地方都市では賃金格差が大きく、特に若年層の女性が都市部へ流出する傾向が見られます。これにより、一部の地域では未婚男性の割合が高くなり、地域間での人口バランスの崩れが懸念されています。

賃金格差の原因として、地域ごとの産業構造の違いが大きく影響していると考えられます。製造業や建設業など、男性が多く従事する業界が盛んな地域では、男女間の賃金差が大きくなる傾向にあります。また、これに加えて、女性の管理職への登用が進んでいないことも賃金格差の拡大要因とされています。女性の管理職割合が高い地域では、賃金格差が比較的小さくなっていることがデータからも確認できます。例えば、福岡県や東京都などでは、女性の管理職割合が高く、賃金格差も縮小傾向にあります。

一方、平均継続勤続年数についても男女間で差が生じており、特に地方ではその差が顕著です。男性が長期間同じ職場で勤める傾向が強い一方で、女性は出産や育児などで離職するケースが多く、結果として勤続年数が短くなりやすいという現状があります。このような状況は、企業側にとっても大きな課題であり、女性が長期的に働き続けるための制度設計が求められています。具体的には、育児休業制度の充実や、職場での柔軟な働き方の推進が重要とされています。

また、大学進学率に関しても男女間での差が見られます。都市部の高い進学率に対して、地方では進学率が低い傾向があり、これもまた若年層の女性が都市部へ流出する要因の一つです。女性が地域で働き続け、かつ高い賃金を得るためには、地域ごとの教育機会の拡大や、キャリア形成を支援する施策が必要です。特に、専門職や技術職への進出を促すための職業訓練や、地域に根ざした企業との連携が重要視されています。

さらに、6歳未満の子どもを持つ夫婦における家事・育児の分担についても、男女間で大きな違いがあり、これも女性の就業継続を妨げる要因の一つとされています。多くの地域では、家事・育児の時間は女性に偏っており、男性の参加が少ない現状があります。このような家庭内の役割分担が、女性の職業生活における負担を増加させ、結果として離職や非正規雇用の選択を余儀なくされるケースが多く見られます。したがって、企業だけでなく社会全体での意識改革が求められています。

これらのデータを総合すると、女性が職業生活で活躍するためには、地域ごとに異なる課題に対して、個別に対策を講じていくことが不可欠です。賃金格差の是正や、管理職登用の推進、育児休業制度の拡充など、企業が取り組むべき課題は多岐にわたります。特に、地方においては、若年層の女性が地域に定着し、活躍できる環境整備が急務です。これにより、地域経済の持続可能な発展が期待されるでしょう。

企業の採用担当者にとっては、これらのデータをもとに、どのように女性を採用し、長期的に働いてもらうかが重要なテーマとなります。企業内での柔軟な働き方の導入や、女性がキャリアを継続できる環境を整えることで、優秀な人材を確保することが可能です。特に、賃金格差の是正や育児支援制度の充実は、採用時の大きなアピールポイントとなるでしょう。女性の活躍を促進することで、企業全体の生産性向上にもつながると考えられます。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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