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2025年2月28日

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学校保健統計2024発表!裸眼視力1.0未満の小学生が3割超、中学生は6割超に

学校保健統計調査-令和6年度(確定値)の結果の概要(文科省)

令和6年度の学校保健統計調査が公表され、日本の幼稚園から高等学校に通う子どもたちの健康状態や発育状況に関する最新データが明らかになった。この調査は国立・公立・私立の各学校に在籍する満5歳から17歳までの児童・生徒を対象とし、抽出率は発育状態に関して5.2%(649,142人)、健康状態については25.4%(3,190,771人)であった。調査期間は令和6年4月1日から6月30日にかけて実施され、児童の身長や体重の変化、疾病の有無などが記録された。

調査結果によると、日本の子どもたちの健康状態にはいくつかの顕著な傾向が見られる。特に裸眼視力1.0未満の割合が年齢とともに増加している点が注目される。小学校では3割を超え、中学校では6割、高等学校では7割に達しており、視力低下が進行していることが示唆された。この視力低下の背景には、スマートフォンやタブレットの長時間使用、屋外活動の減少などが関係していると考えられている。文部科学省は、子どもの視力を守るために啓発資料の普及や、保健教育のモデル授業の動画作成、屋外での体験活動の促進などの対策を推進する予定だ。

また、むし歯(う歯)の割合については、全体的に減少傾向が見られ、小学校・高等学校では4割を下回り、幼稚園・中学校では3割を下回る結果となった。学校や家庭での歯科衛生教育の充実、フッ素塗布の普及などが寄与しているとみられる。一方で、鼻・副鼻腔疾患の割合は小学校・中学校ともに約1割にとどまり、一定の割合で鼻炎や副鼻腔炎を抱える子どもが存在することが確認された。

発育状態のデータでは、身長・体重の平均値は平成10年前後に上昇した後、横ばいの傾向にあることがわかった。男子は17歳時点で平均身長170.8cm、体重62.2kg、女子は158.0cm、52.5kgとなっている。肥満傾向児の割合は男女ともに9歳から12歳で最も高く、男子では9歳以降で1割を超えている。一方、痩身傾向児の割合は10歳頃まで増加し、その後は3%前後で推移している。これらのデータは、日本の子どもたちの体格や体重に関する変化を示しており、食生活や運動習慣の影響を受けていることが推測される。

文部科学省では、こうした調査結果をもとに今後の施策を検討している。特に、視力低下の防止に向けた対策は急務であり、教育機関や家庭と連携した取り組みが求められる。また、肥満や痩身傾向の増減にも注目し、適切な食事指導や運動習慣の推奨を進める必要がある。さらに、学校現場での健康診断の結果をより詳細に分析し、個別の健康指導を充実させる方針だ。

今回の調査結果を受け、企業の採用担当者にとっても重要な示唆が得られる。日本の若年層の健康状態が将来的な労働力の質に影響を及ぼす可能性があるため、企業側も健康増進に関する取り組みを強化することが求められる。例えば、視力低下の防止策としてオフィスでの適切な照明環境の整備、定期的な目の健康チェックの導入などが考えられる。また、肥満傾向児の増加に伴い、将来的に成人病のリスクが高まることが予想されるため、企業内での健康経営の推進がより重要となる。

この調査は昭和23年度から毎年実施されており、日本の学校における児童・生徒の健康状態を長期的に把握することを目的としている。令和2年度から令和5年度のデータについては、新型コロナウイルス感染症の影響で測定時期が異なっていたため、今回のデータとの直接的な比較は難しい。しかし、今回の調査により、現在の子どもたちの健康や発育の実態がより明確になったことで、教育現場や行政だけでなく、家庭や企業にとっても貴重な指針となるだろう。

⇒ 詳しくは文部科学省のWEBサイトへ

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