2025年6月19日
労務・人事ニュース
宮崎県で1.27倍の有効求人倍率!令和7年4月の最新データから読み解く企業の採用戦略
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「夜勤なし」/正看護師/眼科/クリニック/オンコールなし
最終更新: 2025年6月24日 22:37
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「夜勤なし」/正看護師/訪問看護ステーション/有料老人ホーム/デイサービス/介護施設
最終更新: 2025年6月24日 22:37
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最終更新: 2025年6月24日 22:37
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「夜勤なし」/准看護師/オンコールなし
最終更新: 2025年6月24日 22:37
宮崎市・小林市・都城市の地域別求人倍率から見る採用ターゲットの絞り方
令和7年4月の宮崎県における有効求人倍率は、1.27倍と前月からわずかに0.02ポイント下がりました。この数値は全国平均と比較しても依然として高い水準であり、企業側が求職者を選ぶ立場にある売り手市場が続いていることを意味します。しかし、その一方で、求人数と求職者数の双方が減少しているという事実も見逃せません。このような状況下において、企業の採用担当者がどのような戦略をとるべきかは、採用活動の成否を分ける重要なポイントとなっています。
宮崎労働局の最新発表によれば、4月の有効求人数は前月比1.4%の減少、新規求人数も前年同月比で1.7%の減少となっており、これで21か月連続で前年同月比マイナスが続いています。求人数の減少は、企業が採用に慎重になっていることを反映しており、物価上昇や人件費の高騰といった外部要因が影響していると考えられます。採用市場においては、景気動向と連動する形で求人活動が変動するため、企業は最新のデータに基づいてタイムリーな対応をとることが求められます。
特に注目すべきは、正社員の有効求人倍率が1.07倍と、前年同月よりわずかに上昇している点です。この上昇は、常用フルタイムでの安定した雇用を求める動きが企業側に広がっていることを示唆しています。つまり、採用の質に対する意識が高まりつつあり、単に人手を確保するのではなく、長期的な戦力として期待できる人材へのニーズが強まっているのです。これにより、企業の採用担当者には求人内容の見直しや、職場環境の改善、魅力ある待遇の提示といった取り組みがこれまで以上に重要になってきています。
一方で、有効求職者数は前月比0.2%、前年同月比では3.0%の減少となっており、特に離職者の数が減少しています。これは、従業員の定着率が改善している可能性も示していますが、それだけでなく、求職活動自体を控える人が増えている可能性も考慮すべきです。たとえば、物価上昇の影響により働くインセンティブが下がっている、あるいは希望する職種や条件に合致する求人が見つからないといった事情が影響していると見られます。
産業別にみると、医療・福祉分野では8.0%の求人減、宿泊業や飲食サービス業では30.7%もの減少が見られました。特に観光業や外食産業においては、依然として人手不足が深刻な一方で、雇用の安定性や収益の不安定さから求人を控える動きが顕著です。これに対して、サービス業(分類外)や生活関連サービス業、娯楽業などでは求人が増加しており、分野によって雇用のニーズが大きく異なることが読み取れます。
このような状況下で、採用担当者が着目すべきは、自社の業種や地域における有効求人倍率と市場動向のマッチングです。たとえば、宮崎県内の各ハローワーク別では、有効求人倍率が小林市で1.33倍、都城市で1.41倍、日南市では0.94倍と、地域によってばらつきがあります。都市部では倍率が高くなりがちな一方で、地方では応募者の確保がより困難なケースもあります。こうした地域格差に対応するには、テレワークの導入や社宅制度の整備、移住支援制度との連携といった取り組みが効果を発揮する可能性があります。
また、「就業地別の求人を用いた有効求人倍率」が1.39倍と、受理地別の1.27倍よりも0.12ポイント高いことにも注目が必要です。これは、求人票の記載地と実際の就業地が異なるケースがあることを示しており、本社機能の集中する都市圏と地方支店や工場などの就業地において、採用環境が異なるという現象が背景にあります。このため、採用戦略を立てる際には、実際の勤務場所をベースにした求人計画を策定し、エリア特性に応じた人材アプローチを行うことが求められます。
さらに、年齢別の新規求職者数を見ると、25歳~44歳の若年から中堅層で求職者が減少している一方で、55歳以上のシニア層は増加しています。企業としては、若年層の採用にこだわるのではなく、経験豊富なシニア層の活用も視野に入れることで、組織力の強化を図ることができます。また、多様な人材を受け入れる柔軟な働き方や研修体制の整備は、求職者から選ばれる企業としての競争力を高める鍵になります。
採用活動において、単なる人材確保を目的とするのではなく、中長期的に自社の発展を支える人材との出会いを創出するためには、データに基づいた判断と柔軟な戦略が欠かせません。宮崎県のように地域の特性が色濃く反映されるエリアでは、地場産業の実態や地域住民の就労意識を的確に把握することが、優れた人材確保への第一歩となるでしょう。企業の採用担当者には、最新の有効求人倍率データをもとに、より戦略的かつ実践的な採用活動の展開が求められています。
⇒ 詳しくは宮崎労働局のWEBサイトへ