2024年11月12日
労務・人事ニュース
富山県の有効求人倍率が1.36倍に低下、正社員求人は3.2%減少
2024年9月の富山労働市場ニュース(富山労働局)
富山労働局が発表した最新の労働市場データによると、令和6年9月時点の有効求人倍率は1.36倍で、前月比0.01ポイント低下しています。この値は2か月連続で低下しており、企業が必要とする労働者数が減少傾向にあることが示されています。特に有効求人数は21,645人で、前月比1.2%減少しており、7か月連続で減少しています。一方、有効求職者数は15,893人で、前月比0.9%減少し、2か月ぶりに減少傾向が見られました。
さらに、新規求人倍率も2.14倍と、前月比で0.06ポイント低下しており、こちらも2か月連続の低下です。これらのデータから、企業が新たに求人を出す意欲がやや減退していることがうかがえます。新規求人数は7,321人で、前年同月比13.8%の減少となり、2か月連続で減少していることが分かります。特に製造業や卸売・小売業では大幅な減少が見られ、産業別においても求人動向に違いが出ていることが浮き彫りとなっています。
産業別に見ると、製造業における新規求人は1,242人で、前年同月比24.4%減少しており、401人の大幅な減少が見られます。このほかにも、卸売・小売業では前年同月比30.9%減少し、399人の減少が報告されています。一方、サービス業(他に分類されないもの)は前年比でわずかに増加しており、業種間での需要のばらつきが確認されました。特に、医療・福祉業界では、新規求人が減少しているものの、依然として高いニーズがあることが示されています。
地域別の有効求人倍率を見ると、福井県が全国で最も高い1.78倍となっており、次いで山口県と香川県が続いています。一方で、神奈川県や沖縄県では1倍を下回る有効求人倍率が記録され、地域ごとの雇用需給バランスにも大きな違いがあることが確認されました。
正社員の有効求人倍率についても分析が行われ、令和6年9月の正社員有効求人倍率は1.38倍となり、前年同月と同水準であることが示されました。正社員の有効求人数は12,045人で、前年同月比3.2%減少しています。これは2か月連続の減少であり、正社員の求人が減少していることが浮き彫りとなっています。また、正社員の新規求人数も減少傾向にあり、特にフルタイムの派遣労働者や契約社員を希望する求職者が増加している状況です。
これらのデータから、現在の富山県の雇用情勢には改善の兆しが見られるものの、全体としては弱い回復基調にあることが分かります。特に、物価上昇や経済状況の不安定さが企業の採用活動に影響を与えており、今後も求人動向に注意が必要です。企業が新規に求人を出す意欲が減少しているため、採用計画を見直す必要があるかもしれません。
このような背景を考慮すると、企業の採用担当者は、現行の採用計画の柔軟な調整が求められます。特に、求職者のニーズに応じた雇用形態の見直しや、地域ごとの労働市場の状況を踏まえた採用戦略が重要です。特定の業種や地域での求人倍率が高まる一方、他の業種では人材確保が難しくなっているため、業界ごとのトレンドを見極めることが求められています。
以上のように、労働市場全体の動向は依然として厳しいものの、地域や業種ごとの違いを理解し、柔軟な採用計画を立てることが、今後の人材確保において重要な鍵となるでしょう。企業としては、雇用情勢を注視しつつ、迅速な対応を図ることで、効果的な人材確保を実現できる可能性があります。
⇒ 詳しくは富山労働局のWEBサイトへ