2024年7月10日
労務・人事ニュース
山口労働局、令和5年度の障害者就職件数が過去最多の1,264件に達することを発表
障害者職業紹介状況(令和5年度分)について(山口労働局)
令和6年6月28日、山口労働局職業安定部職業対策課は、令和5年度における県内ハローワークを通じた障害者の職業紹介状況を公表しました。この報告によると、ハローワークを通じた障害者の就職件数は1,264件に達し、前年同期比10.4%の増加となりました。この数字は過去最多を記録しています。
新規求職申込件数も増加しており、前年同期比12.9%増の2,695件となりました。これで3年連続の増加となります。障害の種類別では、身体障害者の新規求職申込件数は668件で、前年同期比2.5%の減少でしたが、就職件数は309件で4.4%の増加でした。知的障害者の新規求職申込件数は339件で6.9%の増加、就職件数は212件で14.0%の増加でした。精神障害者の新規求職申込件数は1,455件で21.6%の増加、就職件数は660件で9.6%の増加を記録しました。その他の障害者の新規求職申込件数は233件で23.9%の増加、就職件数は83件で36.1%の増加でした。
産業別の就職件数を見ると、最も多かったのは医療・福祉で446件(構成比35.3%)となり、次いで製造業が157件(同12.4%)、卸売・小売業が153件(同12.1%)となっています。また、職業別の就職件数では、事務従事者が294件(構成比23.3%)、運搬・清掃・包装等従事者が281件(同22.2%)、サービス職業従事者が225件(同17.8%)でした。
このように、障害者の就職状況は全体として好調に推移しているものの、各障害別や産業別に見ると依然として課題が残っていることがわかります。特に、精神障害者の新規求職申込件数や就職件数の増加が目立っており、精神障害者に対する就労支援の重要性が浮き彫りになっています。
山口労働局では、障害者の雇用促進に向けたさまざまな支援策を展開しています。これには、ハローワークでの求人公開や面接会の開催、就労移行支援事業所や障害者就業・生活支援センターとの連携による個別支援が含まれます。さらに、トライアル雇用や職業訓練、ジョブコーチによる支援など、多岐にわたる支援が提供されています。
また、障害者を初めて雇い入れる事業主や、多数の障害者を雇用するために施設整備を行う事業主に対しては、各種助成金が支給される制度も設けられています。これにより、事業主は障害者雇用に対するハードルを下げることができます。
障害者雇用においては、雇用率の算定方法や納付金制度も重要な要素です。令和6年度の障害者雇用納付金については、新しい法定雇用率2.5%で算定され、令和8年度分からは法定雇用率が2.7%に引き上げられる予定です。これにより、障害者の雇用促進がさらに進むことが期待されています。
障害者雇用の促進には、社会全体での理解と協力が不可欠です。山口労働局では、引き続き障害者の雇用支援策を強化し、障害者が安心して働ける環境づくりを進めていく方針です。事業主や関係機関との連携を強化し、障害者の就労機会を広げるための取り組みを一層推進していくことが求められます。
⇒ 詳しくは山口労働局のWEBサイトへ