2025年2月2日
労務・人事ニュース
山口県の外国人労働者が過去最多12,754人に!前年比16.7%増(令和6年10月末現在)
「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末現在)について(山口労働局)
山口県における外国人雇用の最新状況が公表され、過去最高の外国人労働者数となったことが明らかになりました。令和6年10月末時点での外国人労働者数は12,754人に達し、前年から1,823人増加し、16.7%の増加率となりました。この増加は、企業の人手不足を補う外国人労働者の需要が高まっていることを示しています。
外国人労働者の国籍別構成を見ると、最も多いのはベトナム出身者で4,240人(全体の33.2%)を占めています。次いで、インドネシアが1,782人(14.0%)、中国が1,610人(12.6%)となっており、東南アジア諸国からの労働者が多いことがわかります。特にインドネシア人労働者の増加率が高く、前年比60.5%増の672人増加しました。これは、技能実習制度や特定技能制度の拡充が影響している可能性があります。
在留資格別では、「技能実習」ビザで働く外国人が最も多く4,844人(38.0%)を占めています。これは、製造業や建設業などでの即戦力として期待される技能実習生の受け入れが継続していることを示しています。次に「専門的・技術的分野の在留資格」を持つ外国人が3,232人(25.3%)おり、前年から39.8%増加しました。特にエンジニアや研究職などの分野で専門的な人材が求められていることが背景にあります。「身分に基づく在留資格」の外国人も2,292人(18.0%)となり、定住者や永住者として日本で生活する外国人の数も増えつつあります。
外国人労働者を雇用する事業所数も増加傾向にあり、2,171か所となりました。これは前年より179か所増加し、9.0%の増加率を記録しています。業種別に見ると、「建設業」が513か所(23.6%)、「製造業」が451か所(20.8%)、「卸売業・小売業」が371か所(17.1%)と続きます。特に建設業における外国人雇用の割合が増加しており、技能実習生や特定技能を持つ労働者が多く働いています。
地域別に見ると、最も多くの外国人労働者がいるのは下関で19.9%を占め、次いで宇部(16.5%)、徳山(12.5%)、岩国(12.4%)、山口(11.7%)となっています。特に宇部では技能実習生の割合が高く、47.4%を占めています。これは、製造業が盛んな地域であることが影響していると考えられます。
外国人労働者の産業別割合を見ると、最も多いのは「製造業」で3,962人(31.1%)が働いています。次いで「卸売業・小売業」が2,501人(19.6%)、「建設業」が1,900人(14.9%)と続きます。また、「宿泊業・飲食サービス業」では949人(7.4%)が就労しており、観光業の回復とともに外国人労働者の需要が高まっていることが分かります。
事業所の規模別にみると、「30人未満」の小規模事業所が最も多く、事業所全体の60.8%を占めています。このことから、外国人労働者の受け入れは大企業よりも中小企業が主導していることがわかります。特に「30人~99人」の事業所が20.7%、「100~499人」の事業所が12.3%を占めており、外国人雇用は幅広い規模の企業で進んでいることが明らかになっています。
また、外国人労働者の中には「特定技能」資格を持つ人も増えており、1,788人が該当しています。特に「介護」分野では435人が特定技能で働いており、高齢化社会に伴う人材不足を補う重要な役割を担っています。他にも「工業製品製造業」277人、「建設業」188人、「宿泊業」45人など、幅広い分野で活躍しています。
外国人雇用の動向を見ると、企業が労働力不足を補うために外国人労働者の受け入れを拡大していることがわかります。特に技能実習生や専門技術職の増加が顕著であり、今後もさらに外国人雇用が進むと予想されます。企業にとっては、適切な労働環境の整備や文化の違いを考慮したマネジメントが求められるでしょう。外国人労働者の増加は日本経済にとって重要な要素となり、より多様な働き方の受け入れが今後の課題となるでしょう。
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