2024年11月10日
労務・人事ニュース
山口県の求人倍率が1.47倍に低下、求人数は依然27,766人を維持
山口県の雇用情勢(令和6年9月分)について(山口労働局)
2024年9月の山口労働局が発表した統計によると、令和6年9月の有効求人倍率は1.47倍で、前月と比べてわずかに減少しましたが、依然として全国平均を上回っています。有効求人数は27,766人で、前月比0.1%の増加が見られ、有効求職者数は18,869人で2.5%の増加となりました。これは、雇用情勢において依然として求人が求職を上回る状況が続いていることを示しています。
山口県の労働市場では、特に建設業や製造業での求人が堅調に推移していますが、サービス業や小売業、卸売業などでは一部で求人の減少が見られます。具体的には、サービス業では前年同月比で約10.8%の減少があり、小売業では17.2%減少しています。一方で、建設業は求人が安定しており、特にパートタイム求人の充足率が高い状況です。
雇用の充足率は全体的に低下傾向にあり、求人倍率は高いものの、実際に採用に結びついている求人の割合は低くなっています。例えば、正社員求人の有効求人倍率は1.40倍と高い水準を維持していますが、充足率は12.7%と前月比で1.2ポイント減少しており、求職者に対して充足する求人が不足していることが伺えます。
さらに、新規求人倍率についても同様の傾向が見られ、9月の新規求人倍率は2.36倍で、前月の2.71倍から0.35ポイント減少しました。これに伴い、新規求人数は10,101人と前月比5.8%の減少となり、特にサービス業や飲食業での求人減少が顕著です。
これらの統計からもわかるように、山口県の雇用市場は引き続き求人数が多く、全体としては堅調に推移しているものの、一部の業界では求人の減少が見られ、特にサービス業や飲食業ではその傾向が顕著です。また、正社員を希望する求職者の充足率が低いため、企業側はさらなる採用支援策が求められる可能性があります。
2024年9月の統計データによれば、全産業の新規求人数は前年同月比で5.8%減少し、特に運輸業や小売業、飲食業での減少が目立ちました。一方で、製造業や医療福祉分野では安定した求人が続いています。特に医療業では、前年同月比で約5.8%の増加が見られ、この分野での人材ニーズが引き続き高いことが示されています。
山口県内の市町村別の統計でも、下関市や宇部市、岩国市など主要都市での求人倍率は高く、求人の充足が進んでいる地域もある一方で、一部地域では求人数が不足している状況も見受けられます。例えば、下松市では有効求人倍率が1.49倍と他地域に比べて低めですが、求人の充足率は比較的高く、安定した雇用が見込まれています。
今後の展望として、山口県では引き続き製造業や医療福祉分野での人材需要が高まると予測されますが、サービス業や小売業の低迷が続く可能性があるため、これらの業界への支援が必要となるでしょう。また、正社員を希望する求職者への対応を強化するために、企業側も採用活動の柔軟性を高めることが求められます。
特に注目すべき点は、2024年9月の新規求職者数が前月比で2.5%増加し、これは景気の回復とともに新たな求職者が労働市場に参入していることを示しています。しかし、新規求人がそれに追いついていない現状があるため、今後の労働市場の動向に注視が必要です。
企業の採用活動においては、求人倍率が高いことを背景に、適切な採用戦略が求められる局面となっています。求職者が多い一方で、特に専門職や医療福祉分野での人材不足が続いているため、これらの分野への採用を強化し、求職者とのマッチングを図ることが重要です。
このような背景を踏まえ、山口労働局では企業に対して、採用活動を支援するプログラムを提供しており、特に医療福祉分野や製造業での人材確保に向けた助成金制度の活用が推奨されています。企業はこのような支援策を活用することで、適切な人材を確保し、今後の事業拡大を図ることができるでしょう。
⇒ 詳しくは山口労働局のWEBサイトへ