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2024年9月3日

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山口県 令和7年新規高卒者の求人倍率が過去最高を記録!企業が直面する採用競争の現状とは?

令和7年3月新規高卒予定者の求人・求職状況について(令和6年7月末現在)(山口労働局)

令和7年3月に新規高等学校卒業予定の生徒を対象とした求人・求職状況が、山口労働局から発表されました。令和6年7月末現在におけるこの報告によると、山口県内の公共職業安定所、いわゆるハローワークで受理された求人数は6,150人となり、前年同期と比べて3.0%増加しました。この増加は4年連続で続いており、労働市場における新規高卒者への需要が堅調に推移していることが示されています。

一方で、新規高卒予定者の求職者数は前年同期比で0.6%減少し、2,402人となりました。特に県内就職希望者数は1,995人で、前年同期よりも2.5%減少しています。この結果、求人倍率は前年同期の2.47倍から2.56倍へと上昇し、平成7年度に現在の統計形式が導入されて以来、過去最高の倍率を記録しました。これは、求人数が増加する一方で、求職者数が減少傾向にあるため、企業の採用競争が激化していることを示しています。

産業別に見ると、「運輸業・郵便業」では前年同期比で17.9%の増加が見られ、82人増加しました。また、「製造業」も3.7%の増加で79人増加しています。これに対して、「建設業」では4.9%減少し、56人の減少となりました。製造業の中でも、特に「輸送用機械器具製造業」での増加が顕著で、19.5%増加し、39人の増加となっています。この他、「鉄鋼業」でも11.6%の増加があり、30人増加しました。一方、「ゴム製品製造業」や「化学工業」では、それぞれ26.9%と12.7%の減少が見られ、求人が減少しています。

職業別では、「生産工程・労務・技能工等」の分野で前年同期比3.2%増加し、110人の増加が確認されました。しかし、「サービス業」では1.1%減少し、10人減少しています。このような動向は、産業や職業ごとに異なる需要の変化を反映しており、特定の職業分野での人材需要が高まっている一方で、他の分野では減少していることがうかがえます。

企業規模別に見ても、29人以下の企業での求人が7.4%増加しており、132人増加しています。一方で、500人以上の企業では10.6%の減少が見られ、42人の減少となっています。これに対し、1,000人以上の企業では19.4%の増加が見られ、57人増加しました。中小企業と大企業の間で、採用の動向に違いが見られることが特徴的です。

地域別では、ハローワーク下関での求人が前年同期比6.0%増加し、69人増加しています。これに対し、ハローワーク山口では1.4%減少し、10人減少しました。他の地域でも、宇部、防府、萩、徳山などでわずかながら増加が見られますが、増減の幅は地域ごとに異なります。

このように、山口県内における新規高卒予定者の求人状況は、全体的に増加傾向にあるものの、地域や業種、企業規模によってその増減に違いが見られます。特に求人倍率の上昇は、求人数の増加に対して求職者数が追いついていないことを示しており、企業にとっては採用活動が一層難しくなっていることがうかがえます。この状況は、企業がより魅力的な職場環境や待遇を提供することが求められるとともに、労働市場における競争が激化している現状を反映しています。

採用担当者にとっては、これらのデータを基に、効果的な採用戦略を立てることが重要です。特に求人数が多く競争が激しい分野では、早期に優秀な人材を確保するための施策が求められます。また、求人倍率の高い地域や業種においては、他社との差別化を図り、魅力的な雇用条件を提示することで、より多くの求職者を引き付ける必要があります。

このような状況を踏まえ、企業は今後の採用活動において、柔軟かつ戦略的なアプローチが必要とされるでしょう。特に、新規高卒者に対しては、彼らのキャリア形成をサポートするプログラムや、地域に根差した働き方を提案することが、長期的な人材確保につながると考えられます。

⇒ 詳しくは山口労働局のWEBサイトへ

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