2025年2月12日
労務・人事ニュース
山梨県の外国人労働者数12,462人!前年比11.0%増加(令和6年10月末時点)
山梨県内の「外国人雇用状況」について(令和6年10月末時点)(山梨労働局)
山梨労働局が公表した最新のデータによると、山梨県内の外国人労働者数は令和6年10月末時点で12,462人に達し、過去最高を更新した。この数字は前年と比較して11.0%増加しており、外国人労働者を雇用している事業所数も2,092か所と10.1%の増加を記録している。こうした外国人労働者の増加は、県内の多くの産業にとって重要な人材供給源となっており、企業の採用戦略や労働環境の整備に大きな影響を与えている。
山梨県内で最も多くの外国人労働者を抱えているのは製造業であり、外国人労働者の36.2%がこの分野で雇用されている。次いで、サービス業(他に分類されないもの)が21.0%、宿泊業・飲食サービス業が10.2%となっており、特にこれらの業種では外国人労働力の確保が企業の経営において欠かせない要素となっている。また、外国人労働者を雇用する事業所の規模を見てみると、30人未満の事業所が全体の62.6%を占めている。一方で、外国人労働者の就労人数を考慮すると、30人未満の事業所に勤務する割合は36.9%とやや低く、中規模以上の企業においても外国人労働者の採用が進んでいることがわかる。
外国人労働者の国籍別割合を見てみると、最も多いのはベトナム人で3,624人(29.1%)を占めており、次いでブラジル人が1,643人(13.2%)、中国人(香港・マカオ含む)が1,608人(12.9%)となっている。ベトナム人労働者は専門的・技術的分野の在留資格を持つ割合が高く、全体の45.6%を占めている。また、技能実習生として働く割合も38.4%に達し、日本企業にとって即戦力となる人材が多いことが特徴である。一方で、ブラジル人労働者は99.1%が身分に基づく在留資格を有しており、定住者や永住者として日本社会に根付いている傾向がある。
在留資格別に見ると、最も多いのは「身分に基づく在留資格」で4,615人(37.0%)を占めており、次いで「専門的・技術的分野の在留資格」が3,624人(29.1%)、「技能実習」が2,877人(23.1%)と続いている。また、特定技能制度の下での労働者も1,336人に達し、制度創設以来、着実に増加していることが確認されている。特に特定技能制度は、即戦力としての人材確保に直結するため、多くの企業にとって魅力的な選択肢となっている。
外国人労働者の雇用が拡大する中で、企業が直面する課題はいくつか存在する。まず、労働環境の整備が求められる。外国人労働者が円滑に働くためには、日本語教育のサポート、多文化共生を推進するための社内施策、労働条件の明確化が必要である。特に、言語の壁がコミュニケーションの障害となる場合が多いため、日本語学習の機会を提供することで職場の生産性向上につなげることができる。次に、ビザの適正管理が重要である。外国人労働者の在留資格に関する規制は年々厳格化しており、企業側は適正な在留資格で雇用することが求められる。不法就労防止のためには、定期的なチェック体制を構築し、適切な管理を行う必要がある。また、外国人労働者のキャリアパスの確立も求められる。特定技能や専門技術職の外国人労働者を長期的に雇用するためには、企業側がキャリア形成の機会を提供し、スキルアップのサポートを行うことが不可欠である。さらに、行政との連携を強化することも重要である。山梨労働局などの関係機関と積極的に連携し、最新の雇用状況や法改正情報を常に把握することが、企業の安定的な経営に直結する。
今後、少子高齢化が進む中で、外国人労働者の役割は一層大きくなることが予想される。特に技能実習生や特定技能制度を活用することで、企業は即戦力となる人材を確保しやすくなる。一方で、政府の外国人労働政策の変化に対応しながら、柔軟な雇用戦略を立てることが求められる。企業は外国人労働者を単なる労働力としてではなく、長期的に共に成長できる人材として捉え、多文化共生の視点を持つことが成功のカギとなる。職場環境の改善、適切な研修プログラムの導入、行政との協力強化など、企業が取り組むべき施策は多岐にわたるが、これらの対策を適切に実行することで、より持続可能な雇用の実現が可能となる。
外国人労働者の増加が今後も続くことを踏まえ、企業は積極的に外国人採用のメリットを理解し、柔軟な労働環境を整えることが求められる。これにより、人手不足の解消のみならず、国際的な競争力の向上や企業の持続的な成長につなげることができる。山梨県内における外国人労働者の雇用は、地域経済の発展にも寄与する要素となるため、今後の動向に注目しながら、より効果的な人材活用を進めることが重要である。
⇒ 詳しくは山梨労働局のWEBサイトへ