2024年11月12日
労務・人事ニュース
山梨県内企業の高卒採用倍率が3.86倍に上昇、内定率は70%を超える
令和7年3月新規高等学校卒業予定者の就職内定状況(令和6年9月末現在)(山梨労働局)
山梨県内における新規高等学校卒業予定者の就職内定状況が発表されました。令和6年9月末時点におけるデータは、厚生労働省山梨労働局が取りまとめたものであり、求人数、求職者数、求人倍率、内定率などが報告されています。この情報は、新規卒業者を採用しようとする企業にとって重要な指標となります。
まず、令和7年3月卒業予定者に対する求人数は3,060件と報告されており、これは前年同期比でわずかに0.2%減少しています。求職者数については793人で、こちらも前年同期と比較して6.7%減少しています。このデータから、求人数がほぼ横ばいであるのに対し、求職者数は減少傾向にあることが確認できます。さらに、就職内定者数は555人となっており、就職内定率は70.0%と前年同期の69.2%に比べてわずかに上昇しています。この上昇幅は0.8ポイントで、前年と大きな差はないものの、安定した内定率を示しています。
求人倍率も注目すべきデータです。求人倍率は3.86倍となっており、これは前年同期の3.61倍に比べて0.25ポイントの上昇を見せています。この数字は、企業側が引き続き積極的に人材を募集していることを示しており、特に高卒者に対する採用意欲が高いことがうかがえます。企業側の求人数は減少していないものの、求職者が減少しているため、求人倍率が上昇していると考えられます。
内定率に関しては、性別による違いも見られます。男性の内定率は71.4%であり、女性の内定率67.6%と比較すると若干高くなっています。男女間での内定率の差は2.6ポイントですが、これも例年の傾向を反映しており、男性の方がわずかに就職が決まりやすい状況が続いています。しかし、この差は年々縮小傾向にあり、女性の就職内定率も安定的に向上しています。
さらに、業種別のデータを見てみると、製造業や建設業が引き続き高い求人を維持しています。特に製造業では1,149件の求人数があり、これは全体の求人の約37%を占める大きな割合です。これに対し、サービス業や情報通信業の求人数はやや少ない傾向にありますが、特にIT関連の情報通信業の求人は今後の成長が期待されています。地域によっては、特定の業種に偏ることなく幅広い職種での求人が行われており、これは多様な産業が山梨県で活躍していることを示しています。
このような求人状況の中で、企業にとっては効果的な採用戦略が求められます。特に求人倍率が高いことから、企業間での人材獲得競争が激化していることが予測されます。そのため、企業は求職者に対して魅力的な労働条件や成長機会を提示することが重要です。また、企業の採用担当者は、これらの統計データをもとに自社の採用活動を最適化し、効率的に優秀な人材を確保することが求められます。具体的には、求職者が減少している現状を踏まえ、採用活動のターゲットを広げることや、若手人材の育成プログラムを充実させることが有効です。
これらの統計データは、採用活動を行う企業にとって大きな参考資料となるだけでなく、将来の労働市場の動向を予測するための貴重な指標となります。特に、人口減少や高齢化が進む日本社会において、若年層の労働力確保は企業にとって重要な課題です。そのため、企業は地域に根ざした採用活動を行い、地域社会との連携を強化することで、長期的な人材確保に努めることが必要です。
山梨県内の企業は、引き続き地元の高卒者を積極的に採用しており、地域経済の発展に寄与しています。また、県内のハローワークや教育機関も、卒業生に対する職業紹介やキャリア支援を強化しており、これにより内定率の向上が期待されています。企業と教育機関が連携して、若者の雇用促進に取り組むことが、今後の地域経済の持続可能な成長に繋がるでしょう。
このような状況を踏まえ、企業の採用担当者は、早期に優秀な人材を確保するための準備を整えることが求められます。採用活動の開始時期を早めることや、インターンシップ制度を通じて学生との接点を増やすことで、就職内定率をさらに向上させることが可能です。また、地域特有の労働市場の動向を踏まえた柔軟な採用戦略を立てることで、企業の競争力を高めることができるでしょう。
最後に、採用活動における重要なポイントとして、企業側のブランディングも欠かせません。求職者が企業を選ぶ際には、給与や労働条件だけでなく、企業のビジョンや社風、働きやすさなども大きな要因となります。採用活動を通じて、企業の魅力を効果的に発信することが、優秀な人材の確保に繋がります。
⇒ 詳しくは山梨労働局のWEBサイトへ