2025年2月11日
労務・人事ニュース
岡山県の有効求人倍率が令和6年12月に1.42倍に上昇!3か月ぶりの改善が示す採用市場の変化とは?
雇用情勢(岡山労働局管内)令和6年12月分(岡山労働局)
岡山労働局が発表した最新の雇用状況によると、令和6年12月の有効求人倍率は1.42倍と、3か月ぶりに上昇しました。新規求人倍率も2.65倍となり、5か月ぶりの増加を記録しています。これらの数値は、岡山県内の雇用情勢がやや持ち直していることを示していますが、依然として一部の業界では厳しい状況が続いています。
新規求人数は14,248人となり、前年同月比で7.0%の減少となりました。特に、建設業や製造業、運輸業・郵便業、医療・福祉などで減少が目立ちます。一方で、卸売業・小売業や宿泊業・飲食サービス業では求人が増加しており、業種ごとのばらつきが顕著になっています。
有効求人数は43,295人で、前年同月比で4.5%減少しました。この減少傾向は18か月連続で続いており、企業の採用活動が慎重になっていることがうかがえます。一方、有効求職者数は27,940人となり、前年同月比で1.3%の増加を記録し、9か月連続の増加となりました。求職者数が増加する一方で求人が減少しているため、求職者にとっては競争が激化していると考えられます。
就職件数は1,663件で、前年同月比で3.7%の減少となりました。就職率は38.6%で、前年同月比で1.8ポイントの上昇となりましたが、依然として求職活動の難しさが見て取れます。特に、雇用保険の資格喪失者のうち解雇者数が346人と、前年同月比で50.4%増加しており、解雇リスクの高まりが懸念されます。
正社員の有効求人倍率は1.33倍(原数値)で、前年同月と同水準でした。企業の採用活動は慎重な動きを見せているものの、正社員の求人倍率は一定の水準を維持しています。しかし、物価上昇や景気の不透明感が雇用市場に影響を与えており、今後の動向には注意が必要です。
地域別の雇用状況を見ると、岡山市や倉敷市では比較的高い求人倍率が維持されているものの、津山市や高梁市など一部の地域では求人数の減少が顕著となっています。ハローワークごとの有効求人倍率を見ると、倉敷中央が1.47倍、西大寺が1.12倍、玉野が1.63倍、和気が1.70倍など、地域ごとに差があります。特に、求人倍率の低い地域では、求職者が仕事を見つけるのが難しくなっている状況です。
業種別では、建設業や製造業での求人減少が続く一方、宿泊業・飲食サービス業の求人は増加傾向にあります。これは、観光需要の回復や飲食業界の人手不足が影響していると考えられます。しかし、医療・福祉分野では求人が減少しており、慢性的な人手不足が続く中で、採用の難しさが増している可能性があります。
中高年齢者(55歳以上)の求職状況を見ると、新規求職者数は3,319人で前年同月比で0.7%の増加となり、有効求職者数も16,645人で前年同月比4.3%の増加を記録しました。中高年齢者の就職率は35.4%となっており、比較的安定した推移を見せていますが、長期的に見ると就職の難しさが続いていることが分かります。
パートタイムの求人状況では、新規求人数は5,408人で前年同月比5.0%の減少となりました。一方、有効求人数は17,536人と、前年同月比で4.3%の減少となっています。パートタイムの求人倍率は3.44倍と比較的高い水準を維持していますが、求職者の増加により競争が激化しています。
岡山労働局の発表によれば、雇用情勢は持ち直しの動きが見られるものの、依然として厳しい状況が続いています。特に、物価上昇や景気動向が雇用市場に与える影響が懸念されており、今後の動向には引き続き注意が必要です。企業の採用担当者にとっては、労働市場の変化を的確に捉え、適切な採用戦略を講じることが求められています。
⇒ 詳しくは岡山労働局のWEBサイトへ