2025年2月18日
労務・人事ニュース
岩手県の大学生就職内定率84.8%!採用市場の最新動向と企業が取るべき対策(令和6年12月時点)
令和7年3月新規大学等卒業予定者の就職内定状況(令和6年12月時点)(岩手労働局)
岩手労働局が発表した最新の就職内定状況によると、令和7年3月に卒業予定の大学生の就職内定率は84.8%に達し、前年同期比で1.1ポイント上昇しました。一方で、短期大学生の就職内定率は72.5%となり、7.4ポイントの大幅な低下が見られました。公共職業能力開発施設の内定率は92.1%で2.0ポイント低下、高等専門学校は98.9%で1.1ポイント低下、専修学校は76.8%で1.3ポイントの低下となっています。
このデータからは、大学生の就職状況は堅調である一方、短期大学や専修学校の卒業予定者にとっては厳しい環境が続いていることが分かります。特に短期大学の就職内定率の大幅な低下は、採用市場における変化や企業の採用方針の影響を受けている可能性が考えられます。採用担当者としては、これらの数値を分析し、自社の採用活動にどのように活かすかを検討することが重要です。
また、地域別のデータを見てみると、県内就職希望者数は634人で、前年より3.1%増加しました。しかし、県内就職内定者数は497人で、前年と比較して7.8%の増加にとどまりました。この結果、県内就職内定率は78.4%と、前年同期の75.0%から3.4ポイントの上昇が見られました。これは、県内企業の採用意欲が高まっている可能性を示しており、地元企業にとっては優秀な人材を確保するチャンスとなるでしょう。
一方で、短期大学卒業予定者の県内就職内定率は73.2%で、前年の79.1%から5.9ポイント低下しました。このデータは、短期大学卒業生の県内での就職環境が悪化していることを示しており、企業側としてもより魅力的な求人条件の提示や、採用プロセスの見直しが求められる状況です。
公共職業能力開発施設では、県内就職希望者の減少が目立ち、前年の144人から100人へと30.6%の大幅減となりました。県内就職内定者数も135人から92人へと31.9%減少しており、県内での雇用機会の減少が背景にあると考えられます。高等専門学校では県内就職希望者数が11人から9人へ減少し、内定者数も11人から9人へと減少しましたが、県内就職内定率は100%を維持しています。
このような状況を踏まえ、企業の採用担当者は、特に短期大学や専修学校の卒業予定者をターゲットとした採用活動の強化を検討する必要があります。また、地元での就職希望者が増加していることを考慮し、地域密着型の採用戦略を強化することも有効な手段となるでしょう。
さらに、ハローワークの支援を活用することも重要です。岩手労働局では、新卒者向けの就職支援として、個別支援の実施、出張相談の実施、求人情報の提供などを行っています。企業側もこれらのサービスを活用し、求職者と効率的にマッチングすることが可能です。特に、応募書類の添削や模擬面接などのサポートは、企業側が求める人材をより適切に評価するうえで役立ちます。
総じて、大学生の就職市場は安定していますが、短大生や専修学校卒業予定者の就職環境には不安要素が多いことが分かります。企業側としては、より柔軟な採用戦略を取り、幅広い人材の確保を目指すことが求められています。また、地域内の雇用状況の変化に注視し、適切な人材確保の手段を講じることが必要です。
⇒ 詳しくは岩手労働局のWEBサイトへ