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2024年11月11日

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岩手県の求人倍率、3ヶ月ぶりに低下!有効求人倍率1.20倍に減少

一般職業紹介状況(令和6年9月分)(岩手労働局)

岩手県の一般職業紹介状況について、最新のデータに基づく内容を元に、具体的な雇用情勢を詳述します。令和6年9月分の発表では、県内全体において求人が求職を上回るものの、依然として雇用情勢には弱さが見られます。特に物価上昇などの影響が雇用市場に影響を及ぼしており、引き続きその動向に注意が必要です。

まず、有効求人倍率に着目すると、岩手県全体で1.20倍となり、前月の1.21倍からわずかに0.01ポイント低下しました。これは、3ヶ月ぶりに前月を下回る結果となっています。具体的な数値を見ていくと、有効求人数は25,211人で、前月比で91人減少しています。また、有効求職者数もわずかに18人減少し、20,929人となりました。前年同月比では、有効求人数が956人減少し、有効求職者数は548人減少しています。これにより、全体的な求職者数が減少傾向にあることが示されています。

新規求人倍率については、さらに顕著な低下が見られます。新規求人倍率は1.81倍となり、前月の2.02倍から0.21ポイントの減少を記録しています。この5ヶ月ぶりの低下は、新規求人数が8,857人と前月比で823人の減少(8.5%減)を示し、新規求職者数も4,881人と、前月比で89人増加しているものの、前年同月比では248人減少していることが影響しています。これにより、新規求人市場の縮小が確認され、特に製造業や卸売業、小売業などの業界で求人が減少していることが明らかになっています。

地域別に見ると、内陸部と沿岸部で異なる傾向が見られます。内陸部全体の有効求人倍率は1.28倍で、沿岸部の0.99倍と比較すると高い数値を示しています。特に盛岡市や花巻市などの内陸部では、比較的高い求人倍率が維持されている一方で、沿岸部では雇用状況が厳しく、宮古市や大船渡市などでは有効求人倍率が1倍を下回ることが多く見られます。これは、内陸部に比べて産業構造や人口の違いが影響していると考えられます。

業種別に見ると、製造業とサービス業において顕著な変化が見られます。製造業全体では、前月比で25.9%の減少を記録しており、特に食品製造業や化学工業、電子部品製造業などで大幅な求人減少が確認されています。一方、サービス業では、情報通信業や医療・福祉分野が一定の需要を保っているものの、全体的には減少傾向にあります。特に宿泊業や飲食サービス業は、コロナ禍からの回復が進む中で求人が増加しているものの、依然として業界全体の不確実性が影響しているようです。

また、正社員の求人に関しても変動が見られます。令和6年9月時点での正社員有効求人倍率は1.20倍となり、前月の1.16倍から若干の増加を見せています。しかし、産業別で見ると、製造業や建設業では依然としてパートタイム求人が多く、正社員求人の割合が限定的であることが指摘されています。

求人の規模別では、特に中小企業での求人減少が顕著です。従業員数が300人以上の企業では依然として一定の求人を維持していますが、30人未満の企業では前年同月比で5.3%の求人減少が見られ、規模が小さくなるほど求人が減少していることが明らかになっています。この背景には、物価上昇や資源価格の高騰など、経済全体の不透明感が中小企業により強く影響していることが考えられます。

求職者の動向についても注目すべき点があります。新規求職者数は4,881人で、前月比では1.9%増加していますが、前年同月比では4.8%減少しています。これにより、全体的に求職者の動きが鈍化していることが分かります。特に自己都合による離職者数が増加しており、企業都合による離職者数は減少していますが、自己都合退職者が依然として高い割合を占めています。これは、求職者がより安定した労働環境を求めて離職し、再就職を目指す動きが続いていることを示唆しています。

総じて、岩手県内の雇用市場は依然として厳しい状況にあります。求人倍率は安定しているものの、新規求人や求職者数の減少、地域や業種ごとの格差が拡大しており、特に製造業やサービス業における求人減少が懸念されています。また、正社員求人の割合が限定的であることや、中小企業における求人減少が今後の課題として浮上しています。今後の雇用情勢については、物価や経済の動向に加え、産業別・地域別の対策が求められています。

⇒ 詳しくは岩手労働局のWEBサイトへ

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