2024年11月11日
労務・人事ニュース
岩手県内での新規高卒者向け求人が5,650件!過去10年で5番目の多さを記録
令和7年3月新規高等学校卒業予定者の職業紹介状況(令和6年9月末日現在)(岩手労働局)
岩手県における新規高等学校卒業予定者の職業紹介状況に関する最新のデータによると、令和7年3月卒業予定者における就職内定率は全体で73.1%となり、前年同期比で4.2ポイント上昇しました。県内の就職内定率も72.2%と、前年同期比で4.6ポイントの上昇を示しており、県内での就職活動が順調に進んでいることがわかります。就職内定者数は全体で1,483人であり、前年同期比で48人(3.3%)増加しました。このうち、県内での就職内定者数は1,026人で、20人(2.0%)の増加となっています。一方で、求職者数は全体で2,030人、県内では1,421人となっており、前年同期比でそれぞれ52人(2.5%)および68人(4.6%)の減少が見られました。これは、新規高卒者の就職希望者が減少していることを示しており、労働市場の需要と供給のバランスに変化が生じている可能性があります。
県内外における就職内定者の割合に注目すると、県内の就職内定者割合は69.2%で前年同期比0.9ポイント減少し、県外の就職内定者割合は30.8%となり、同じく0.9ポイント増加しています。これは、県外での就職活動がやや活発化していることを示唆しています。特に、産業別の就職内定状況では、製造業が729人で最も多く、全体の49.2%を占めており、前年同期比で4.4ポイント増加しています。次いで多いのが建設業で180人(12.1%)、卸売・小売業が137人(9.2%)となっていますが、卸売・小売業では前年同期比で2.1ポイント減少しており、この業界における雇用状況にはやや変動が見られます。
岩手労働局とハローワークは、新規高等学校卒業予定者の就職支援を強化するため、高校と連携して個々の生徒に合わせた支援を行っています。この取り組みにより、卒業までに就職内定を得られるよう、個別のサポートが提供されています。また、企業側に対しても、県内主要経済団体や市町村と連携し、早期の求人提出を促す活動を展開しています。令和6年9月末時点での求人受理件数は、過去10年間で5番目に多い5,650人となっており、これは前年同期比で1.0%減少しています。内陸部では盛岡や花巻、一関などでの求人数が減少傾向にありましたが、沿岸部では釜石や宮古での求人数が増加している地域もあり、地域ごとに異なる動向が見られます。
求人件数に関しては、盛岡地区が最も多く、760件(前年同期比5.6%減少)で、次いで花巻地区が190件(同7.3%減少)となっています。一方で、水沢地区では353件(同5.4%増加)と、内陸部の中でも地域ごとの差が顕著です。また、沿岸部では釜石地区が131件(同9.2%増加)で、沿岸部全体としては求人件数が増加傾向にありますが、全体的には依然として求人件数は内陸部に比べて少ない状況です。
これらの統計は、企業の採用活動においても重要な指標となります。特に、県内の就職内定率が上昇していることは、地元企業にとって有望な人材を確保できる機会が増えていることを示しています。製造業や建設業など、特定の産業での求人ニーズが高まっている一方で、卸売・小売業などでは若干の減少が見られるため、各業界の採用担当者はこの動向を注視する必要があります。また、求人の早期提出が奨励されていることから、採用活動を効率的に進めるためにも、早い段階での募集開始が望ましいです。岩手県内の就職市場は、今後も地域ごとの経済状況や産業構造の変化によって左右される可能性があるため、企業は柔軟な対応が求められるでしょう。
⇒ 詳しくは岩手労働局のWEBサイトへ