2024年9月4日
労務・人事ニュース
平均年齢30.4歳の一級建築士6,531人が誕生、建築設計業界で即戦力となる人材
令和6年一級建築士試験「学科の試験」の合格者を決定 ~6,531人の合格者、23.3%の合格率~(国交省)
令和6年9月4日、国土交通省住宅局建築指導課より、令和6年度の一級建築士試験「学科の試験」の合格者が発表されました。この試験は、建築士法第13条及び第15条の2の規定に基づき、国土交通大臣の指定する試験機関である公益財団法人建築技術教育普及センターによって実施されており、今年度の合格者数は6,531人、合格率は23.3%となりました。
試験は令和6年7月28日に全国57会場で実施され、総受験者数は28,067人でした。合格者の受験番号は同センターのウェブサイトに掲載されており、合格者には通知書が送付されます。不合格者に対しても成績とともに通知が行われる予定です。
一級建築士試験の合格基準は各科目ごとに設定されており、学科Ⅰ(計画)、学科Ⅱ(環境・設備)、学科Ⅲ(法規)、学科Ⅳ(構造)、学科Ⅴ(施工)の5つの科目で構成されています。令和6年度の試験では、学科Ⅰと学科Ⅱが各20点満点、学科Ⅲと学科Ⅳが各30点満点、学科Ⅴが25点満点で、合計125点満点中92点が合格基準点とされました。また、各科目でも合格基準点が設定されており、すべての基準点をクリアした受験者のみが合格となります。
この試験の特徴として、受験者の年齢や職務内容、学歴などの属性データが公開されています。令和6年度の試験では、合格者の平均年齢が30.4歳であり、職務内容別では「建築設計」が39.3%と最も多く、次いで「施工管理・現場管理」が21.3%を占めています。職域別では、建築士事務所が26.9%、建設業が35.4%、住宅メーカーが14.7%となっています。学歴別に見ると、大学卒業者が67.4%で最も多く、二級建築士資格保有者が20.7%、専修学校卒業者が6.6%と続いています。
一級建築士試験は、その厳しい基準と多岐にわたる知識を問う内容から、毎年多くの受験者が挑戦するものの、一部の者しか合格を果たせない難関試験として知られています。そのため、試験に合格した者は高い専門性と実務能力を証明されたことになります。
なお、学科試験に合格した者は次に「設計製図の試験」に進むことができます。この試験は令和6年10月13日に実施され、その合格者の発表は同年12月25日を予定しています。設計製図の試験は、実際の建築設計に関する能力を評価する重要なステップであり、これを通じて最終的な一級建築士としての資格が付与されます。
このように、一級建築士試験は厳格な評価基準の下、長期間にわたる学習と実務経験が求められる試験です。毎年、多くの受験者が挑戦し、努力を重ねて合格を目指しています。企業の採用担当者にとっては、一級建築士資格を保有する候補者は、即戦力として期待できる貴重な人材であり、その採用は企業にとって大きなメリットとなるでしょう。
次に、企業の採用担当者が特に注目すべき点として、試験の合格者の職務内容や年齢層、学歴に基づく統計データが挙げられます。これらのデータは、採用戦略を練る際の参考となるものであり、例えば、建築設計や施工管理に強みを持つ若手技術者を積極的に採用することで、企業の技術力を強化することが可能です。また、二級建築士や専修学校卒業者の割合も見逃せないポイントです。これらの資格や学歴を持つ者も、一級建築士へのステップアップを目指していることから、将来的に企業にとって有益な人材となる可能性があります。
試験の合格率が23.3%という数字からもわかるように、非常に高いレベルの知識と技能が要求される試験です。合格者は、建築業界におけるエキスパートとしての評価を得ることができ、その後のキャリアにも大きな影響を与えることが期待されます。企業側としては、このような資格を持つ人材をいかに確保し、活用するかが重要な課題となります。
最後に、一級建築士資格を持つ者の採用は、企業にとって非常に価値のある投資となります。彼らは建築設計から施工管理まで幅広い知識とスキルを持ち、業界の動向や最新の技術にも精通しています。このような人材を採用することで、企業の競争力を大幅に向上させることができるでしょう。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ