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2025年2月20日

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広島県の新卒就職内定率が80%超え!大学生の就職状況は2年連続で改善(令和6年12月時点)

令和7年3月大学卒業予定者の就職内定状況(令和6年12月末現在)(広島労働局)

広島労働局が発表した令和7年3月卒業予定者の就職内定状況によると、大学生の就職内定率は82.6%と前年同期より0.6ポイント上昇し、2年連続での増加となった。この水準は過去2番目に高く、広島県内の雇用環境が改善していることを示している。一方で、短期大学卒業予定者の就職内定率は56.6%と、前年同期比で2.9ポイント低下し、2年連続の減少が続いている。高等専門学校の就職内定率は96.1%で1.7ポイント低下、専修学校は74.2%で2.0ポイントの上昇が見られた。

大学生の就職市場は依然として安定しているが、短期大学や高等専門学校の内定率低下が目立ち、学校種別による格差が浮き彫りになった。全体の大学等卒業予定者の就職内定率は80.1%で、前年同期比1.0ポイント上昇し、こちらも2年連続の増加となっている。特に大学生の内定率が堅調に推移している背景には、企業の採用意欲の回復や、広島県内の企業が新卒採用に積極的であることが影響していると考えられる。

令和7年3月卒業予定者の就職状況を詳細に分析すると、就職希望者数は全体で14,060人となり、前年同期より1.1%減少している。そのうち就職内定者数は11,265人で、前年同期よりわずかに増加した。男女別の動向を見ると、男性の就職内定率は81.1%で1.3ポイントの上昇、女性は79.2%で0.6ポイントの上昇となり、男女ともに改善が見られた。

特に大学卒業予定者のデータを過去と比較すると、就職希望者数が平成30年度以降減少傾向にある一方で、内定率は上昇を続けており、企業の新卒採用への意欲の高まりがうかがえる。広島県内の企業が積極的に新卒採用を進めていることが、大学生の就職市場にプラスの影響を与えていることが伺える。一方で、短期大学や高等専門学校の就職内定率が低下している点については、今後の課題として挙げられる。特に短期大学の内定率は過去数年で最も低い水準に達しており、企業側が四年制大学卒業者を優先する傾向が強まっている可能性がある。

また、業種ごとの採用動向にも注目が集まる。広島県では製造業やIT関連の企業が積極的に採用を進める一方で、サービス業や小売業の採用枠が縮小傾向にあることが影響していると考えられる。特に短期大学や専修学校卒業生が就職する割合の高い業界において、採用枠の減少が起きていることが、就職内定率の低下に繋がっていると見られる。

今後の課題としては、短期大学や専修学校の学生に対するキャリアサポートの充実が求められる。企業側も新卒採用戦略を見直し、四年制大学卒業者に偏らない多様な人材確保を進めることが、今後の労働市場の安定化につながると考えられる。特に地方の中小企業では、専門性を持つ短期大学や専修学校卒業生の採用を積極的に行うことで、人材不足の解消につながる可能性がある。

広島労働局は、こうした動向を踏まえ、引き続き企業と求職者のマッチング支援を強化する方針を示している。ハローワークを通じた個別支援や、企業向けの採用支援策の充実が進められる見通しだ。また、大学や短期大学と連携した就職相談会の開催や、インターンシップの充実など、就職活動のサポート体制を強化することで、求職者の選択肢を広げる取り組みが求められる。

全体として、令和7年3月卒業予定者の就職内定率は堅調に推移しており、企業の採用意欲の回復が顕著に表れている。しかし、短期大学卒業者の就職環境の悪化や、業種ごとの採用格差など、解決すべき課題も多い。企業の採用担当者にとっては、これらのデータをもとに、自社の採用戦略を柔軟に見直すことが重要になるだろう。

⇒ 詳しくは広島労働局のWEBサイトへ