2025年1月10日
労務・人事ニュース
広島県の障害者雇用率が過去最高!前年比6.2%増加(令和6年6月1日時点)
令和6年「障害者雇用状況」の集計結果を公表します(広島労働局)
2024年の広島県内における障害者雇用状況が公表され、民間企業における雇用障害者数および実雇用率が過去最高を記録しました。この集計結果は、障害者雇用促進法に基づき、県内2,636社の企業や地方公共団体から提出されたデータをもとにまとめられています。この法律は、常時雇用する労働者のうち一定割合以上の障害者を雇用することを事業主に義務付けており、民間企業の場合、その割合は2.5%となっています。
本年の集計では、広島県内の民間企業における雇用障害者数が前年より6.2%増加し、13,897人となりました。この数字には身体障害者、知的障害者、精神障害者が含まれています。特に精神障害者の雇用数は前年に比べ13.8%増加しており、障害者雇用における多様性が進んでいることがうかがえます。一方、実雇用率は前年の2.48%から0.06ポイント上昇し、2.54%となりました。
法定雇用率を達成している企業の割合は49.1%で、前年の52.1%から減少しています。これにより、企業の約半数が法定基準を満たしていない状況が浮き彫りになりました。特に、雇用義務を達成していない1,341社のうち、774社が障害者を1人も雇用していないことが指摘されています。未達成企業の割合が高い現状は、企業全体での更なる取り組みが求められることを意味しています。
企業規模別にみると、雇用障害者数や実雇用率には顕著な違いがあります。たとえば、1,000人以上の規模を持つ企業では雇用障害者数が6,111人、実雇用率は2.96%と高い水準を維持しています。一方で、従業員数が40~100人規模の企業では雇用障害者数が1,821人、実雇用率は1.98%と、法定基準を下回っています。この結果から、規模の小さい企業における障害者雇用の取り組みを強化する必要性が見えてきます。
産業別では、製造業や医療・福祉分野が障害者雇用率で他産業をリードしています。特に医療・福祉分野では、雇用率が3.03%と高く、法定雇用率を大きく上回っています。一方で、情報通信業やサービス業では雇用率が全国平均をわずかに下回る状況であり、これらの分野での改善が課題として挙げられます。
公的機関についても、障害者雇用は着実に進んでいます。たとえば、県の機関における障害者数は199人で、前年より4.7%増加しました。また、市町村機関でも995人と、こちらも前年から増加しています。一方で、教育委員会では法定雇用率を達成している機関は全体の33機関中29機関と、高い達成率を維持しています。
地方独立行政法人等においても、雇用障害者数が前年より10.0%増加し、94人に達しました。これらの組織では法定雇用率を達成している機関が多数を占めていますが、未達成機関が依然として存在しており、さらなる取り組みが求められます。
これらのデータは、障害者雇用の現状を多角的に示しており、企業や公共機関における法定雇用率達成への取り組みが引き続き重要であることを示しています。特に、精神障害者の雇用拡大や、規模の小さい企業における支援策の強化が必要とされます。政府や地方自治体が積極的な施策を講じることで、障害者雇用の促進と定着が期待されます。
⇒ 詳しくは広島労働局のWEBサイトへ