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2024年11月14日

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広島県内の求人倍率は1.42倍、製造業の求人減少が続く中、情報通信業が29.9%増加

管内の雇用情勢(令和6年9月分)(広島労働局)

令和6年9月の広島県内における雇用状況は、全体的に求人が求職を上回る状況が続いているものの、一部の産業で弱さが見られました。特に、新規求人数は前年同月比で6.7%減少しており、これは主に建設業や製造業といった主要産業での求人減少が影響しています。具体的には、建設業では9.9%の減少、製造業では10.4%減少しており、この傾向は13か月連続で続いています。これに対し、情報通信業や学術研究、専門技術サービス業など、一部の産業では求人が増加しており、情報通信業では29.9%、学術研究、専門技術サービス業では12.0%の増加が見られます。これらの業界は、デジタル化や高度な技術ニーズの高まりに伴い、引き続き人材需要が増えていることが示唆されます。

有効求人倍率については、広島県内全体で1.42倍と、前月と同水準に留まっていますが、正社員に限定した有効求人倍率は1.20倍で、前年同月比でわずかに0.01ポイント低下しました。これは、正社員の求人が引き続き不足していることを示しており、企業が人材確保に苦慮している状況が伺えます。

産業別に見ていくと、運輸業や郵便業では7か月連続で減少が続いており、9月は前年同月比で0.9%減少しました。一方、卸売業、小売業では16.0%の増加が見られ、これは15か月連続での増加となっています。しかし、宿泊業や飲食サービス業では24.9%の大幅な減少が見られ、14か月連続での求人減少が続いています。これは、コロナ禍の影響からの回復が十分ではないことや、物価上昇などの経済的な要因が影響していると考えられます。

また、広島県内の新規求人倍率は2.78倍と、前月より0.14ポイント上昇し、3か月ぶりに上昇しました。これに対し、全国の新規求人倍率は2.22倍で、やや広島県を下回る数値となっています。全国的に見ると、新規求人倍率は安定的に推移していますが、広島県内では特定産業における求人の増減が大きく影響していることがわかります。

求職者の動向についても注目すべき点がいくつかあります。新規求職者数は前年同月比で4.8%減少し、これは2か月連続での減少となりました。特に、若年層や中高年層の求職者数が大幅に減少しており、例えば20~24歳の若年層では16.1%、30~34歳の中高年層では14.9%の減少が見られます。これらの減少は、労働市場への新規参入が鈍化していることや、定着率の向上が背景にあると考えられます。

さらに、求人倍率の地域別分析では、広島市内の有効求人倍率が1.42倍と、県全体の平均と同程度で推移している一方、地域によっては求人倍率が大きく異なることが明らかになっています。例えば、可部地域では有効求人倍率が0.52倍と低く、特に求人が不足している地域であることがわかります。また、東広島や福山市では求人倍率が2倍を超えており、これらの地域では人材不足が顕著となっています。

今後の見通しとしては、県内の雇用情勢が持ち直しに向かうためには、特定の産業における求人増加だけでなく、全体的な経済状況の改善が必要です。特に、宿泊業や飲食サービス業といった観光関連産業は、依然として厳しい状況にあるため、政策的な支援や業界再編が求められるでしょう。また、医療福祉分野では求人の増加傾向が続いており、高齢化社会に対応した人材の確保が急務となっています。

このように、広島県内の雇用情勢は全体としては安定しているものの、業界や地域ごとに大きなばらつきが見られるため、企業が今後どのように採用戦略を展開していくかが重要となります。特に、デジタル化や高度技術の需要が高まる一方で、伝統的な産業では依然として雇用の流動性が低く、人材の定着が課題となっています。これに対して、企業側は従業員の働き方や職場環境の改善を図り、人材確保に向けた努力が必要です。

⇒ 詳しくは広島労働局のWEBサイトへ

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