2024年8月15日
労務・人事ニュース
広島県内の求人倍率1.41倍に低下!物価上昇の影響で求人市場に不安定感
管内の雇用情勢(令和6年6月分)(広島労働局)
広島県内の雇用情勢について詳しく解説します。広島県内における雇用市場の動向は、全体的に求人が求職を上回って推移しているものの、経済環境の変化や物価の上昇などにより、一部で弱さが見られます。特に、有効求人倍率の動きに注目すると、令和6年6月には1.41倍となり、前月から0.02ポイント低下し、3か月連続で低下しています。全国的には1.23倍と、広島県は全国平均を上回る状況にありますが、地域ごとの変動が顕著です。
産業別の状況を見ると、宿泊業や飲食サービス業は4か月ぶりに求人が増加に転じたものの、他の業種では依然として減少傾向が続いています。特に医療・福祉業界では、求人が2か月ぶりに減少し、5,130人の求人が報告されています。教育・学習支援業においては、求人が大幅に減少し、前年比47.8%の減少となっています。生活関連サービスや娯楽業においても、求人が減少傾向にあり、特に2か月連続で24.6%減少しています。
運輸業・郵便業も4か月連続で求人が減少し、前月比7.1%の減少となっています。一方で、情報通信業では求人が36.4%増加し、5か月ぶりに回復の兆しを見せています。製造業全体では、2か月ぶりに求人が減少し、特に自動車製造業や造船業では顕著な減少が見られます。
求職者の動向に関しても、令和6年6月の新規求職者数は8,344人で、前年同月比で8.4%減少しました。これは3か月ぶりの減少となり、特に若年層や30代、40代の求職者数が大きく減少しています。また、パートタイムの有効求人倍率も低下しており、フルタイムでの求職希望者に対する求人の充足率が課題となっています。
地域別の有効求人倍率を見ても、広島市内では1.29倍、東広島市では1.85倍と地域ごとにばらつきがあり、特に中山間地域では求人が限られています。例えば、可部や廿日市、大竹などでは有効求人倍率が1倍を下回る地域も見られ、地域経済の活性化が求められています。
求人倍率の変動に関しては、特に建設業や製造業の動向が注目されます。建設業では、新規求人が減少する一方で、有効求人倍率は1.14倍と比較的高い水準を維持しています。製造業においては、自動車関連産業の動向が影響を与えており、特に電気機械器具や輸送用機械器具の製造業では、求人が前年比で大幅に減少しています。
これらのデータから、広島県内の雇用市場は一部で改善の兆しが見られるものの、依然として不安定な要素が多く、特に産業別や地域別に課題が残されています。今後の経済動向や政策の影響を注視しながら、適切な雇用対策が求められるでしょう。
⇒ 詳しくは広島労働局のWEBサイトへ