2024年10月17日
労務・人事ニュース
建設業の給与総額が412,756円に増加、前年比4.5%アップで特別支給額も11.9%上昇
毎月勤労統計調査 令和6年8月分結果速報 第1表 月間現金給与額(厚労省)
令和6年8月の給与に関する最新の調査結果が公開され、産業別の給与額に関する詳細なデータが明らかになりました。このデータによると、事業所規模が5人以上の企業における現金給与総額は296,588円となり、前年と比較して3%の増加が見られました。この増加は、多くの産業で見られたものであり、特に鉱業、採石業などの業種では、給与総額が371,848円となり、前年比で4.2%増加しました。これに対して、製造業における給与総額は338,921円で、前年と比較して2%の増加に留まりました。
産業別に見ると、建設業や鉱業のように給与が大きく伸びている業種もあります。建設業では、給与総額が412,756円となり、前年から4.5%増加しています。特に所定内給与においては、360,973円で、前年と比較して3.6%増加しました。このような給与の増加は、建設業の需要が高まっていることや、労働者の確保が重要な課題となっていることが背景にあると考えられます。
さらに、特別支給額に注目すると、建設業では特別支給額が51,783円となり、前年比で11.9%増加していることが確認されました。一方で、製造業では特別支給額が15,231円となり、前年比で16.1%の減少が見られました。これらのデータから、産業ごとに給与の動向が異なることが明らかです。
鉱業、採石業においても特別支給額が大幅に減少しており、前年比で27.6%減少し、48,647円となりました。これは、業界特有の要因や経済状況の影響が反映されている可能性があります。しかし、全体的な給与総額では前年を上回っており、業界全体としてはプラスの傾向が見られます。
また、所定外給与についても各産業で増加が見られます。鉱業、採石業では所定外給与が25,137円で、前年と比較して12.7%減少しましたが、他の産業では所定外給与が増加しているケースもあります。たとえば、製造業では所定外給与が29,394円で、前年比で4%増加しており、特定の業界では所定外労働の増加が見られます。
これらの給与データを基に、各産業における給与の動向や労働環境の変化について分析することができます。企業の採用担当者にとって、これらのデータは、労働市場の状況を把握し、採用戦略を見直すための重要な指標となります。特に、給与が大きく増加している業界では、競争が激化している可能性があり、優秀な人材を確保するためには、給与や福利厚生の見直しが求められるでしょう。
採用担当者にとって重要なのは、各産業における給与の最新動向を理解し、他社との競争力を保つための施策を講じることです。特に、給与水準が高まっている業界では、採用活動がより一層困難になる可能性があるため、給与だけでなく、職場環境やキャリアパスの提供など、総合的なアプローチが必要です。加えて、給与水準が低い業界でも、労働者の満足度を高めるための施策を実施することで、優秀な人材の流出を防ぐことができます。
令和6年8月のデータを基に、企業は今後の採用戦略を見直し、労働市場の変化に対応していく必要があります。給与水準の上昇が見られる業界では、他の条件を整えることで、採用活動の成功率を高めることができるでしょう。一方で、給与水準が減少している業界では、他の要素で補完する形で競争力を高めることが求められます。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ