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2024年8月16日

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建設業界の働き方改革が進展、休日取得率21.2%に!企業の労働環境改善

「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査(令和5年度)」の結果を公表(国交省)

国土交通省の不動産・建設経済局建設業課が実施した「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査(令和5年度)」の結果が公表されました。この調査は、建設業における働き方改革を推進するために、工期設定やその適正性、受発注者間の協議、休日取得状況、さらには工事費の負担や生産性向上の取り組みについて、詳細なデータを収集する目的で実施されました。調査の対象は建設企業および発注者であり、令和6年1月1日現在の情報を基にしています。

調査対象の建設企業は、建設業法第27条の37の規定に基づく届出団体の会員企業1,302社であり、発注者としては不動産や運輸・交通、住宅業界などの民間企業102社が含まれています。調査時点は令和6年1月1日現在で、調査対象となる工事は令和4年12月以降に請け負ったものです。

この調査の主な結果として、まず、休日取得状況の改善傾向が挙げられます。技術者の休日取得が「4週8休」となっている割合は、前年度比で9.5ポイント増加し、21.2%に達しました。技能者においても、前年度比で14.8ポイント増加し、25.8%に達しています。しかし、両者ともに最も多い回答は「4週6休程度」であることから、依然として課題が残っています。

また、技術者の月平均残業時間については、「45時間以上」を超えている企業の割合が14.9%であり、技能者では9.0%でした。特に、上限規制に対する特別条項を超過する技術者がいる企業の割合は17.2%、技能者がいる企業の割合は4.7%にのぼり、働き方改革の取り組みが進む一方で、まだ多くの課題があることが浮き彫りになりました。

さらに、物価の高騰が工事に与える影響についても調査が行われました。建設企業の4割以上が、物価高騰による工事への影響が出た場合でも、発注者に協議を依頼しないか、依頼しても応じてもらえないと回答しています。また、協議が行われた場合でも、全ての契約変更が行われたケースは全体の約2割に留まっており、受発注者間のコミュニケーションや契約の柔軟性にも課題が残されていることが分かります。

このような調査結果は、建設業界全体の働き方改革や工期設定の改善に向けた重要な指針となるでしょう。技術者や技能者の働き方改革をさらに推進するためには、休日取得や残業時間の削減だけでなく、物価高騰など外部環境の変化に対応した工期設定や契約変更の仕組みづくりが求められます。これにより、建設現場で働く人々の負担を軽減し、より良い労働環境を実現することが期待されます。

また、企業の採用担当者にとっても、この調査結果は非常に重要です。企業が優秀な人材を確保し、定着させるためには、働きやすい環境を提供することが不可欠です。特に、休日取得や残業時間の管理、柔軟な契約変更が可能な組織体制は、求職者にとって大きな魅力となります。さらに、発注者と受注者の間での適切な協議やコミュニケーションの強化は、プロジェクト全体の成功に直結します。

この調査結果を基に、企業は自社の労働環境や契約条件の見直しを行い、より働きやすい職場づくりを目指すべきです。特に、働き方改革を進めることで、業界全体のイメージアップや、若い世代の参入促進にもつながる可能性があります。

このように、働き方改革を推進するための具体的なデータが示されたことで、建設業界の課題が明確になりました。今後の取り組みとしては、現場での実践的な対策が求められるでしょう。たとえば、休日取得率のさらなる向上や残業時間の削減に向けた具体的な施策を講じることが考えられます。また、物価高騰に対する柔軟な対応策や、受発注者間のコミュニケーション強化も不可欠です。

最終的に、これらの取り組みを通じて、建設業界全体の生産性向上と労働環境の改善が進むことが期待されます。企業がこの調査結果を活用し、積極的に働き方改革を推進することで、より魅力的で持続可能な建設業界を築いていくことができるでしょう。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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