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2025年3月13日

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建設業界の採用市場が安定化!全国的に建設資材の需給が「均衡」

2 月の主要建設資材の需給動向は全ての調査対象資材において均衡 ~主要建設資材需給・価格動向調査(令和7 年2 月1~5 日現在)の結果~(国交省)

2025年2月25日、国土交通省不動産・建設経済局は、主要建設資材の需給および価格動向に関する最新の調査結果を公表した。これは、建設事業の円滑な推進と資材価格の安定を目的として毎月実施されるものであり、全国の建設業界にとって重要な指標となる。

今回の調査結果によると、令和7年2月1日から5日にかけて行われた建設資材需給・価格動向調査では、全国的に資材の需給バランスが「均衡」していることが確認された。価格動向に関しては、石油が「やや上昇」となったものの、それ以外の主要資材は「横ばい」を維持している。また、在庫状況についても、全体的に「普通」と評価され、特に著しい不足や過剰は見られなかった。

資材別に詳しく見ると、生コンクリートや鋼材、木材など13品目の価格は大きな変動がなく、安定した推移を示している。ただし、アスファルト合材の新材については、一部で「やや緩和」の動きが見られた。これにより、道路工事や舗装工事に関わる業者にとっては、資材調達の見通しがやや良好になったと考えられる。一方で、異形棒鋼については「豊富」との評価が下され、供給が十分に確保されていることがわかる。

都道府県別の動向を分析すると、全国的に資材の価格や需給バランスに大きな地域差はないものの、一部地域では異なる動きが見られた。例えば、北陸地方ではコンクリートの価格が「やや上昇」する傾向が確認されたが、関東や関西では「横ばい」を維持している。このような地域差は、各地域における建設需要の変動や、供給網の状況によって影響を受けていると考えられる。

また、被災3県(岩手県、宮城県、福島県)の建設資材動向についても分析が行われた。被災地の復興事業が進む中で、これらの地域における建設資材の需給バランスは全国平均と同様に「均衡」となっており、大きな需給逼迫の兆候は見られなかった。価格動向については、全国的に「横ばい」が多い中で、セメントや生コンクリートの価格が一部地域で「やや上昇」する傾向が確認されている。これは、復興関連の建設需要が依然として高いことを示しており、今後も資材の安定供給が求められる状況が続くと考えられる。

建設業界の今後の見通しについては、今回の調査結果から、少なくとも短期的には資材価格の急騰や供給不足のリスクは低いと予測される。ただし、石油価格の変動は引き続き注意が必要であり、特に燃料価格の影響を受ける建設資材の価格動向には注視が求められる。加えて、国際的な経済情勢の変化や、為替レートの動向によっては、輸入資材の価格が影響を受ける可能性もあるため、企業の資材調達戦略においては慎重な対応が求められる。

企業の採用担当者にとって、この調査結果は建設業界の採用市場にも影響を与える要素となる。建設資材の価格が安定していることは、新規の建設プロジェクトの計画が立てやすくなる要因となり、それに伴って建設業界全体の雇用需要も安定する可能性が高い。また、被災地の復興需要が続く中で、建設技能者や施工管理技術者の確保が引き続き求められると考えられる。加えて、資材の安定供給を維持するために、物流管理や購買担当者といった職種の需要も高まることが予想される。

今後の動向としては、政府による公共事業の推進やインフラ整備計画がどのように進められるかが重要なポイントとなる。特に、国土交通省が主導する都市再開発や防災インフラの強化などの施策が具体化すれば、それに伴って建設業界の人材需要もさらに増加することが予想される。また、脱炭素化を背景にした環境配慮型の建設手法の導入が進む中で、省エネ建材や環境対応型資材の調達・管理を担う専門人材の確保も課題となる可能性がある。

今回の調査結果は、建設業界の安定的な成長を示す重要な指標であり、今後の市場動向を予測するうえで欠かせない情報である。企業の採用戦略を策定する際には、こうした業界動向を踏まえ、必要な人材の確保や育成計画を検討することが重要となる。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ