2024年3月2日
労務・人事ニュース
従業員の安全を守る 麻疹リスクへの対応と予防
麻疹の発生に関するリスクアセスメント(2024年第一版)(2024年2月14日時点)(国立感染症研究所)
日本国内での麻疹の発生状況とそれに対する対応策について、2024年の最新のデータを基に概説します。日本は2015年に麻疹の排除を達成し、以後もその状態の維持に努めてきました。しかし、国内外の動向により麻疹の発生リスクは常に存在します。
特に、海外からの旅行者による集団発生や、麻疹ワクチン接種率の低い集団における発生が見られることがあります。2019年には年間届出数が744例と増加しましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で2020年と2021年は大幅に減少しました。しかし、2023年には再び28例と増加し、海外からの持ち込みリスクも高まっています。
日本では、麻疹ワクチンの接種率を95%以上に保つことを目標にしており、2歳以上の麻疹抗体保有割合はほぼ95%以上を維持しています。しかし、特定の年齢層では抗体保有割合が目標に達しておらず、国内での麻疹発生のリスクが依然として存在します。
世界的には、麻疹の報告数はCOVID-19パンデミック以降増加しており、特に東南アジアやアフリカ、ヨーロッパでの発生が目立っています。麻疹ワクチンの接種率は世界的に低下しており、麻疹に対する集団免疫の獲得が課題となっています。
日本国内での対策としては、海外からの旅行者や、旅行者と接する可能性のある人々へのワクチン接種の推奨、医療従事者への接種の確認、迅速な情報共有と予防啓発、接触者調査と対応の迅速化が挙げられます。また、定期接種の推進と、接種歴が不明な場合の接種検討も重要です。
このように、日本では麻疹の排除状態を維持するために様々な努力が続けられていますが、国内外の状況変化により、常に警戒を怠らず対策を講じる必要があります。
⇒ 詳しくは国立感染症研究所のWEBサイトへ