労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 徳島県の雇用情勢が好転、2024年9月の有効求人倍率は1.13倍を維持

2024年11月14日

労務・人事ニュース

徳島県の雇用情勢が好転、2024年9月の有効求人倍率は1.13倍を維持

最近の雇用失業情勢(令和6年9月分)(徳山労働局)

徳島県の最新の雇用失業情勢に関するデータによると、国内外の経済情勢に影響を受けながらも、地域の雇用環境は全体的に緩やかな改善が続いています。全国的な経済の回復基調にあわせて、徳島県内でも個人消費や設備投資が底堅く推移している一方、住宅投資は弱含みの状態が続いており、公共投資は引き続き安定した増加を見せています。これに伴い、企業の生産活動も横ばいで推移し、特に製造業や非製造業における業況判断は改善しています。

徳島県の有効求人倍率は、2024年9月時点で1.13倍と、前月と同水準を維持しており、特に正社員の有効求人倍率は1.03倍で前年同月と同じ水準を示しています。新規求人倍率もやや低下しつつあるものの、新規求人は5,220人に上り、特に建設業や製造業、卸売業・小売業といった産業での求人が増加しています。具体的には、建設業では前年同月比25.6%増、製造業では11.0%増、卸売業・小売業でも13.4%の増加が見られ、これらの分野では求人が活発です。一方で、医療・福祉業や宿泊業、飲食サービス業では求人が減少しており、特に医療・福祉では前年同月比13.8%の減少、宿泊業・飲食サービス業では23.7%の減少が報告されています。

就業状況に関しては、2024年9月の完全失業率は2.5%で、前月に比べて0.2ポイント低下しており、失業者数は全国的に減少傾向にあります。特に新規求人倍率は2.08倍で、全国平均と比べても徳島県は高い水準にあります。パートタイムを含む常用新規求職者の動向を見ても、前年同月比で在職者は13.0%減少、事業主都合による離職者は6.2%減少、自己都合による離職者は9.2%減少するなど、雇用状況は改善の兆しが続いています。これらのデータは、徳島県内の労働市場が着実に回復基調にあることを示しており、特に製造業や建設業といった基幹産業の需要が引き続き高いことが背景にあると考えられます。

また、企業の業況判断指数(D.I.)に関しては、徳島県内全産業で改善が見られます。2024年9月時点で全産業における業況判断は8ポイント改善し、製造業では10ポイント、非製造業では4ポイントの改善が報告されています。これらの指標は、特に製造業の回復が県内経済全体を牽引していることを反映しており、今後も緩やかな回復が見込まれます。

一方で、海外経済の影響が徳島県内の景気回復にリスクを与える可能性があることも指摘されています。欧米における金利の高止まりや中国の不動産市場の停滞といった要因が、日本国内、ひいては徳島県にも影響を及ぼすリスクが高まっており、企業は今後の海外情勢に注視する必要があります。また、物価上昇や中東情勢の不安定さ、金融市場の変動などの外的要因が引き続き国内経済に影響を及ぼすことが懸念されており、企業経営者や採用担当者は慎重な対応が求められています。

県内企業の倒産件数についても、2024年9月度のデータでは、前年同月と比較して減少しているものの、依然として経済環境の不透明さが続いており、特に販売不振が倒産原因の一つとなっています。建設業や製造業における倒産件数も報告されており、地域経済の脆弱さが一部で見られます。

総じて、徳島県内の雇用失業情勢は、回復基調を維持しながらも、引き続き海外経済の動向や物価上昇、金融市場の変動などに対するリスク管理が重要な課題となっています。企業は労働力確保のため、求職者のニーズに応じた柔軟な雇用条件の見直しや、採用戦略の強化を進める必要があり、特に正社員雇用の拡充が重要となっています。企業にとっても、人材確保とともに業績改善のための投資判断が今後の成長に直結するでしょう。

このように、徳島県の労働市場は徐々に安定してきていますが、今後も引き続き、地域ごとの雇用状況の違いや産業別の求人動向に注目しながら、労働力不足に対する対策が求められます。特に高齢化が進む中で、介護や医療といった福祉分野での人材確保が大きな課題となっており、こうした分野へのさらなる支援策が必要です。企業にとっては、労働市場の動向を把握し、適切な人材配置や雇用条件の見直しを行うことが今後の経営戦略において重要な位置を占めるでしょう。

⇒ 詳しくは徳山労働局のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ