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2024年8月27日

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愛媛県の最低賃金が956円に改定!過去最大の59円引き上げ!

愛媛県最低賃金の59円の引上げが答申されました。(愛媛労働局)

令和6年8月19日に愛媛労働局から発表された愛媛県の最低賃金改定に関するニュースが、多くの企業にとって重要な話題となっています。今回の改定では、現行の最低賃金が59円引き上げられ、時間額が956円に改定されることが答申されました。この引き上げ幅は6.58%に相当し、平成14年(2002年)以降の最高額となります。これにより、愛媛県内の事業場で働く全ての労働者に適用される最低賃金が大幅に向上する見通しです。

愛媛県内の最低賃金の改定は、すべての雇用形態の労働者に適用されるため、企業はその影響を受けることとなります。常用雇用者だけでなく、パートタイマーやアルバイト、さらには派遣労働者に対しても、新しい最低賃金が適用されます。派遣労働者に関しては、派遣先の事業場で適用される最低賃金が基準となるため、派遣元と派遣先の企業双方がこの改定を踏まえて対応する必要があります。

また、今回の引き上げ額59円は、中央最低賃金審議会が示した目安を9円上回っており、愛媛県の労働環境の改善を強く意識した決定と言えるでしょう。最低賃金の改定は、令和6年10月13日から効力を発する予定で、これに伴い、企業は給与体系や賃金規定の見直しを急ぐ必要があります。

このような最低賃金の引き上げは、特に中小企業や小規模事業者にとって大きな負担となる可能性があります。そこで、厚生労働省では中小企業や小規模事業者を支援するために「業務改善助成金」や「キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)」を提供しています。これらの助成金は、賃金引き上げに伴う企業の負担を軽減し、生産性向上や設備投資を支援するものです。

「業務改善助成金」は、企業が事業場内の最低賃金を引き上げる際に行った設備投資などに対して、その費用の一部を助成する制度です。具体的には、企業が生産性向上を目指して賃金を引き上げた場合、その引き上げ幅や対象労働者数に応じて助成額が決まります。この制度を利用することで、中小企業は最低賃金の引き上げに伴うコストを軽減し、さらに業務改善に取り組むことができます。

一方、「キャリアアップ助成金」は、非正規雇用労働者の賃金規定を3%以上増額改定した企業に対して支給される助成金です。この助成金は、パートタイム労働者や有期雇用労働者の賃金引き上げを支援するものであり、企業が賃金規定の改定を行う際に大きな助けとなります。例えば、企業が賃金規定を5%増額改定し、10名の非正規雇用労働者の賃金を引き上げた場合、助成金として65万円が支給されることになります。

さらに、愛媛県では過去10年間にわたって最低賃金の改定を行ってきましたが、その引き上げ幅や引き上げ率が年々増加していることが分かります。例えば、平成26年には引き上げ額14円、引き上げ率2.10%だったものが、令和5年には引き上げ額44円、引き上げ率5.16%となっています。これは、労働者の生活を守り、経済環境の変化に対応するために必要な措置として、最低賃金の改定が重視されていることを示しています。

今回の愛媛県の最低賃金改定は、地域経済における重要な変化であり、企業にとっては迅速かつ適切な対応が求められます。最低賃金の改定に伴い、企業は労働コストの増加に対処するために、給与体系の見直しや労働者への対応を検討する必要があります。同時に、厚生労働省が提供する助成金制度を活用することで、最低賃金の引き上げによる負担を軽減し、労働環境の改善に取り組むことが可能です。これらの助成金を上手に活用することで、企業は持続可能な成長を目指すことができます。

最後に、企業の採用担当者にとって、今回の最低賃金改定は採用戦略にも影響を与える重要な要素となるでしょう。新たな最低賃金が設定されることで、労働市場における賃金競争が激化する可能性があり、優秀な人材を確保するためには、賃金面での競争力を高める必要があります。また、非正規雇用者の賃金引き上げを進めることで、従業員のモチベーション向上や定着率の改善にも寄与することが期待されます。

このように、愛媛県の最低賃金改定は、企業にとって多方面での対応が求められる重要なテーマです。企業は、この改定を契機に労働環境の整備や生産性向上に取り組むことで、競争力を高め、持続的な成長を目指すことが重要です。これにより、地域経済の活性化にも貢献できるでしょう。

⇒ 詳しくは愛媛労働局のWEBサイトへ

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