2025年2月11日
労務・人事ニュース
愛媛県の有効求人倍率は2024年12月に1.37倍
管内の雇用失業情勢(令和6年12月分)について(愛媛労働局)
愛媛労働局が発表した最新の雇用情勢に関するデータをもとに、詳細な分析を行いました。愛媛県の有効求人倍率は1.37倍(季節調整値)となり、前月より0.01ポイント低下しました。これは全国平均の1.25倍を上回る水準ですが、県内の地域別に見ると、東予地域は1.59倍、中予地域は1.46倍、南予地域は1.54倍と、地域ごとに異なる動向が見られました。南予地域では前年同月比で減少したものの、東予・中予地域では前年同月比で増加しています。
新規求人数(原数値)は前年同月比で2か月ぶりに増加しました。業種別に見ると、「製造業」が11.0%増、「サービス業」が9.1%増、「宿泊業・飲食サービス業」が8.6%増と、それぞれ大幅に伸びを見せています。一方で、「卸売業・小売業」は2.4%減、「運輸業・郵便業」は1.5%減となり、業種ごとの需給に差が生じています。特に、製造業やサービス業の伸びが顕著であり、観光業や外食産業の回復が影響している可能性があります。
正社員の有効求人倍率は1.30倍で、前年同月比で0.05ポイント上昇しました。これは10か月連続の上昇であり、企業側の正社員採用意欲が引き続き高いことを示しています。新規求職者数(原数値)も前年同月比で2か月ぶりに増加し、労働市場における動きが活発化していることがうかがえます。
企業の採用活動において特筆すべき点は、一般求人が前年同月比で2.5%増加し、パート求人も2.2%増加していることです。これは、企業側が幅広い人材を確保しようとしている動きが強まっていることを示唆しています。また、就職率は前年同期比で低下しており、求職者側の就職決定までのプロセスに何らかの課題が生じている可能性もあります。
愛媛県内の雇用環境において、求職者と企業とのミスマッチが依然として課題となっています。愛媛労働局では、リスキリング(職業能力の向上)や人材育成支援を進めることで、雇用のミスマッチを解消しようとしています。特に、少子高齢化や若年層の県外流出による労働力不足が懸念される中、多様な人材が能力を最大限に活かせる環境整備が求められています。
また、雇用保険関係のデータを見ると、受給資格決定件数(一般)は前年比で9.9%減少しており、雇用保険の受給者数も減少傾向にあります。これは、労働市場の回復を示す一方で、求職者にとってはより厳しい雇用環境になっている可能性もあるため、企業側の採用戦略の見直しが求められる場面もありそうです。
このように、愛媛県の労働市場は全体的に回復傾向にあるものの、地域ごとや業種ごとにばらつきが見られます。企業の採用担当者にとっては、求職者の動向を注意深く見極め、適切な雇用戦略を立てることが重要となります。
⇒ 詳しくは愛媛労働局のWEBサイトへ