2024年11月14日
労務・人事ニュース
愛媛県内の求人倍率が1.35倍に上昇!サービス業と医療・福祉で求人が増加
管内の雇用失業情勢(令和6年9月分)について(愛媛労働局)
愛媛労働局が発表した最新の雇用失業情勢に関する情報は、地域ごとの求人倍率や新規求職者数、産業別の動向を細かく分析しています。令和6年9月のデータによると、有効求人倍率(季節調整値)は1.35倍で、前月と比べて0.01ポイント上昇しました。また、正社員の求人倍率(原数値)は1.17倍となり、前年同月から0.06ポイント上昇しています。地域別では、東予地域が1.48倍と最も高く、中予地域は1.20倍、南予地域は1.47倍とそれぞれ前年同月を若干下回る結果となりました。
新規求人数に関しては、前年同月比で2ヶ月連続の減少となっており、特に「卸売業、小売業」が13.8%減少し、「建設業」も8.9%の減少を示しています。一方で、サービス業や医療・福祉、運輸業、郵便業、宿泊業、飲食サービス業といった分野では前年同月を上回る新規求人数の増加が確認されており、それぞれ10.7%、5.5%、3.2%、2.9%増加しています。このような増加傾向は、特にサービス業や医療・福祉分野の人材需要が引き続き高まっていることを反映しています。
一方で、新規求職者数も2ヶ月連続で減少しています。これは、全体として労働力人口が減少傾向にあることを示唆しており、特に少子高齢化の影響や若年層の県外流出などが要因とされています。愛媛労働局は、こうした状況を踏まえ、引き続き雇用ミスマッチの解消に取り組んでいます。具体的には、リスキリングによる能力向上や人材育成支援を通じて、多様な人材が最大限の能力を発揮できる就業環境を整備することが求められています。
また、正社員の就職率に関しても前年同月比で若干の減少が見られ、特に事業主都合の離職者数が前年同月比で減少しています。この減少傾向は、景気の持ち直しの動きがやや弱まっていることを反映していると言えるでしょう。
愛媛労働局の報告によれば、今後も物価上昇や経済状況の変化が雇用に与える影響に注意を払いながら、特に人手不足感が高まっている産業への就業支援を強化することが必要です。さらに、オンラインでの求職登録者数や求人応募件数が増加しており、ハローワークインターネットサービスの利用が一層拡大していることも報告されています。こうしたデジタル化の進展は、求職者が地域を問わず柔軟に職を探す機会を広げる一方で、地方における人材定着をどのように進めるかが重要な課題となっています。
このように、愛媛県内では求人が求職を上回っている状況が続いており、求人倍率は全国平均の1.24倍を上回る1.35倍となっています。特に、サービス業や医療・福祉分野では高い求人需要が続く一方で、建設業や製造業など一部の産業では減少が見られるため、産業ごとの人材需要の差が浮き彫りになっています。
こうした雇用市場の動向は、企業の採用戦略においても大きな影響を与える可能性があります。特に、今後も続くと見られる労働力人口の減少に対処するためには、企業がどのようにして有能な人材を確保し、定着させるかが鍵となるでしょう。例えば、リモートワークの導入や柔軟な働き方を推進することで、都市部への若者流出を防ぎ、地方における雇用の活性化を図ることが求められています。
まとめると、令和6年9月時点での愛媛県内の雇用状況は、全体としては求人が求職を上回る比較的安定した状況が続いていますが、産業ごとに求人の動向に大きな違いがあり、企業の採用活動にも影響を及ぼしています。労働市場の動向を踏まえた採用戦略の見直しや、新たな雇用施策の導入が今後も求められるでしょう。
⇒ 詳しくは愛媛労働局のWEBサイトへ