2025年1月9日
労務・人事ニュース
愛知県 65歳までの雇用確保が100%達成!最新データが示す高齢者雇用の現状(令和6年6月1日時点)
愛知県の令和6年「高年齢者の雇用状況」集計結果(愛知労働局)
令和6年、高年齢者雇用状況等に関する最新の集計結果が厚生労働省より発表されました。このデータは、国内企業の高年齢者雇用における現状を把握し、法定基準に基づいた取り組みの進捗状況を明らかにする目的でまとめられています。本調査は全国14,164社の企業からの報告を基に作成され、企業規模に応じた雇用確保措置や就業確保措置の導入状況が詳しく分析されています。
調査結果によれば、65歳までの雇用確保措置を実施している企業は、全体の100%に達しており、この数値は昨年から変動がありません。具体的な対応策としては、「継続雇用制度の導入」が73.1%と最も多く、次いで「定年の引上げ」が23.2%、「定年制の廃止」が3.7%となっています。このうち、継続雇用制度において希望者全員を対象とする制度を導入している企業は85.6%にのぼり、前年から1.5ポイント増加しています。一方で、経過措置に基づき対象者を限定する基準を設けた企業は14.4%で、こちらは1.5ポイント減少しています。
次に、70歳までの就業確保措置を実施している企業は32.6%にとどまっています。中小企業では33.3%、大企業では25.6%と若干の差が見られますが、いずれも前年に比べて増加傾向にあります。具体的な措置の内訳を見ると、「継続雇用制度の導入」が27.1%と主流であり、その他「定年の引上げ」や「定年制の廃止」の割合はそれぞれ1.8%、3.7%にとどまっています。
また、企業の定年制に関する状況では、65歳以上を定年とする企業は26.9%で、前年から1.7ポイント増加しました。このうち、「定年の引上げ」による対応が主流を占める一方で、「定年制の廃止」を実施する企業の割合は依然として低い状況です。
高年齢者雇用安定法の趣旨に基づき、厚生労働省は今後も生涯現役社会の実現に向けた取り組みを強化するとしています。具体的には、措置を未実施の企業に対する指導や助言、また必要な情報提供を行うことで、70歳までの就業確保措置の実施率向上を目指しています。
この調査結果は、企業の人事戦略や労務管理における課題を浮き彫りにしており、今後の対応策を考える上での重要な指針となります。特に、高齢化が進む中での労働力確保の必要性や、働く意欲のある高齢者が活躍できる場を広げるための環境整備が求められています。
最後に、企業規模別のデータからは、中小企業において高年齢者雇用の対応が比較的進んでいる一方で、大企業での取り組みがやや遅れを取っている点が明らかになりました。この差異は、企業の経営資源や人事ポリシーの違いに起因していると考えられます。高齢者雇用が企業の成長戦略の一環として位置付けられるべきであり、具体的な施策の立案が急務と言えるでしょう。
⇒ 詳しくは愛知労働局のWEBサイトへ