2025年4月11日
労務・人事ニュース
持ち家の28.8%が改修済、約974万戸のリフォーム市場がもたらす人材需要
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最終更新: 2025年4月26日 22:32
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最終更新: 2025年4月26日 22:32
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最終更新: 2025年4月26日 22:32
- 「時短勤務可」/准看護師/介護施設/オンコールなし
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令和5年住宅・土地統計調査 土地集計(確報集計)結果 住宅の構造等に関する集計(総務省)
2023年10月1日を基準日として実施された住宅・土地統計調査では、日本国内の住宅事情や住宅構造、そして高齢化に伴う住まいの改修状況などが詳細に明らかとなりました。特に今回は「住宅の構造等に関する集計結果」として、住宅の改修状況や耐震補強工事、高齢者向け設備の整備、さらには空き家の状況に焦点を当てた確報集計が行われ、今後の住生活施策や建築関連業界における人材戦略にも直結する重要なデータが提示されています。
まず注目すべきは、2019年以降に増改築・改修工事等が行われた持ち家が全体の28.8%、実数にして974万8,000戸にのぼっている点です。この改修の内訳を見ていくと、「台所・トイレ・浴室・洗面所の改修工事」が16.1%で最も多く、「屋根・外壁等の改修工事」が12.4%、「天井・壁・床等の内装改修」が7.5%と続いています。これらの数字は、築年数の経過により住宅機能の維持や生活の質を保つための改修需要が高まっていることを示しており、特に1970~1990年代に建築された住宅においては3割以上が改修を実施しているという結果も出ています。
一方で、耐震改修工事についてはやや慎重な傾向が見られ、2019年以降に耐震工事が行われた持ち家は63万7,000戸と、全体のわずか1.9%にとどまりました。耐震工事の中で最も多かったのは「壁の新設・補強」で46.0%、次いで「金具による補強」が38.0%、「基礎の補強」が34.5%と続きます。構造別では、木造住宅における耐震工事実施率が2.4%だったのに対し、非木造は0.7%と非常に低く、特に共同住宅では全体のわずか0.2%しか耐震工事が行われていない実態が浮かび上がりました。
さらに、住宅の安全性だけでなく、高齢者が住みやすい環境づくりも重要視されるようになっています。2019年以降に高齢者等のための設備工事を行った持ち家は441万戸に達し、持ち家全体の13.0%を占めました。内容としては「階段や廊下への手すりの設置」が7.8%で最も多く、「トイレの工事」が5.4%、「浴室の工事」が5.3%、「屋内の段差解消」が2.1%となっています。こうした工事の実施割合は世帯内の最高齢者の年齢が高いほど顕著に上昇しており、75歳以上の高齢者がいる世帯では22.2%にまで達しています。
高齢者の住まいにおけるバリアフリー対応も進展しています。65歳以上の高齢者がいる主世帯のうち、一定のバリアフリー化が施された住宅に居住している割合は45.4%であり、5年前の2018年と比べて3.0ポイント上昇しました。さらに、高度のバリアフリー化住宅に住む世帯の割合も10.0%と、1.2ポイントの上昇を見せています。特に共同住宅(持ち家)においては、一定のバリアフリー化率が52.4%と高く、住宅の所有形態や建て方によって取り組みの進度に差があることが分かります。
また、住環境における地域サービスへのアクセスも大きな改善が見られています。高齢者のいる世帯が最寄りの老人デイサービスセンターまで500メートル未満に位置する割合は41.6%に達しており、2003年の17.0%から20年間で2倍以上に上昇しました。一方、1,000メートル以上離れている世帯の割合は同期間に60.5%から28.3%にまで低下しており、福祉施設の整備状況が全国的に改善していることを示しています。
最後に、空き家の実態に関するデータにも重要な示唆があります。世帯が現住居以外に所有する空き家、すなわち賃貸・売却用および二次的住宅を除く「世帯所有空き家」は789万戸存在しており、そのうち約70%が1980年以前に建築された住宅です。さらに、これらの空き家の取得方法を見ると、「相続・贈与」が61.6%を占め、住宅の継承に関する社会的課題が浮き彫りとなっています。相続後に住むことなく空き家となっているケースが多く、今後は空き家の有効活用や再生事業が重要となると同時に、不動産管理や改修分野における人材需要も拡大することが予測されます。
このように、今回の調査結果からは、住宅の老朽化、耐震性、高齢者対応、空き家問題といった多面的な課題が明確に表れています。企業の採用担当者にとっては、これらの課題をチャンスと捉え、今後必要とされる分野における人材確保や育成に力を入れることが、社会的にも経済的にも持続可能な企業活動につながるはずです。たとえば、リフォーム・リノベーション業界、耐震設計や施工管理、高齢者向け住宅設計、介護リフォーム、不動産管理などの業界では、明らかに専門スキルを持つ人材の需要が高まっており、今後の中途採用や新卒採用計画の中で、重点領域として位置づけることが求められます。
⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ