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2024年3月1日

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持続可能な成長への挑戦 賃上げの現状と展望

調査シリーズNo.236 企業の賃金決定に係る調査(労働政策研究・研修機構)

経済の回復期において、企業の持続的な成長と労働者の生活水準向上を実現するためには、賃金の適正な上昇が欠かせないとされています。この背景のもと、企業の収益状況が改善しているにもかかわらず、賃金を上げることに踏み込めない理由を探るため、ある調査が行われました。この調査は、経済が成長を続ける中での賃金決定の背景や企業の姿勢、将来の展望などを深く理解することを目的としています。

この調査は、厚生労働省からの要請により行われたもので、全国の従業員数30人以上を抱える企業10,000社を対象に、郵送によるアンケート方式で実施されました。回答期間は2023年1月31日から2月20日までで、有効な回答は2,530件でした。調査の結果、企業が直面している市場環境や賃上げに対する姿勢、さまざまな外部要因による影響などが明らかになりました。

特に、企業の大多数が価格の高騰や人手不足、市場の縮小などによる不確実性の増加を感じていることが判明しました。また、仕入れコストの上昇が顕著であり、その影響をどの程度価格転嫁できているかについても調査されました。価格転嫁が難しい主な理由として、販売量の減少や販売先・消費者との関係を重視することなどが挙げられています。

賃上げに関しては、多くの企業が社員のモチベーション向上や待遇改善のため、または最低賃金の引き上げに対応するために賃上げを実施していることがわかりました。賃上げを行った企業では、社員のやる気の向上や離職率の低下など、ポジティブな効果が報告されています。しかし、賃上げを実施しなかった企業では、業績の低迷やコスト上昇などが理由であることが明らかにされました。

この調査は、労働経済の現状と将来の展望を理解するための基礎データを提供し、政策立案において重要な役割を果たしています。また、企業が直面する課題や賃金決定に影響を与える要因についての理解を深めることで、持続可能な成長と分配の好循環を実現するための方策を考えるきっかけを提供しています。

⇒ 詳しくは独立行政法人労働政策研究・研修機構のWEBサイトへ

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