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2024年12月15日

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持続可能な観光へ!観光庁が発表した「未来のための旅のエチケット」とその詳細

「未来のための旅のエチケット」と「観光ピクトグラム」を策定しました(観光庁)

観光庁は令和6年11月29日、観光客のマナー向上と持続可能な観光地域の形成を目指し、新たな施策を公表しました。この施策は「未来のための旅のエチケット」と「観光ピクトグラム」という2つのコンテンツから構成されており、訪日外国人旅行者をはじめとする観光客に対するマナー啓発を強化することが目的です。

今回策定された「未来のための旅のエチケット」は、観光客に守ってほしいマナーを7つの行動例として示したポスターやリーフレットとしてまとめられています。これらは日本語を含む5言語で制作されており、多言語対応が進められています。一方、「観光ピクトグラム」は観光地での禁止事項や推奨行動を簡潔に図式化したものです。これには14種類の禁止事項と8種類の推奨行動が含まれており、補助表記として5言語での説明が添えられています。例えば、「私有地への無断立入禁止」や「公共交通機関への乗り換え推奨」などがピクトグラムとして表現されています。

観光庁はこれまでにもマナー啓発動画や地域特化型のマナー啓発コンテンツを作成し、その普及を支援してきました。しかし観光需要が回復する中、一部地域では観光客によるマナー違反が社会問題化しています。このため、実際に発生している問題や各地域の取り組みを参考に、新たなコンテンツを設計したとのことです。策定にあたっては、有識者や地方公共団体、観光関連事業者の意見が反映されており、実用性と多様性が考慮されています。

これらの新しいコンテンツは、関係者が簡単に活用できるよう、特設ウェブページで無料公開されています。このウェブページでは観光関連事業者向けと観光客向けの両方の情報が提供され、ポスターやピクトグラムのデータをダウンロードできるコーナーが設置されています。この取り組みにより、観光庁は地方公共団体や観光地域づくり法人(DMO)、関連事業者との連携を強化し、SNSや旅行予約サイト、観光地での広報活動を通じてマナー周知を推進していく予定です。

さらに、観光庁はこの取り組みを進化させるため、活用事例の収集やフィードバックを基にしたアップデートを随時行う計画です。観光客と地域住民の双方にとって快適な観光環境を整えることを目指し、持続可能な観光地域づくりに向けた新しいスタンダードを形成する狙いがあります。

今回の施策の背景には、観光客の増加に伴うさまざまな課題があります。過剰観光とも呼ばれる現象は、地元住民の生活や環境に悪影響を及ぼすだけでなく、観光地自体の魅力を損なうリスクも伴います。こうした課題を解決するためには、観光客自身の行動改善が重要であり、今回のコンテンツがその一助となることが期待されています。

観光庁はまた、地域ごとの特性やニーズに応じた柔軟な対応も視野に入れています。例えば、特定の観光地ではピクトグラムのデザインや内容をカスタマイズして使用することが可能です。このような取り組みを通じて、観光客が地域文化や住民の生活様式を尊重する意識を高め、より調和のとれた観光のあり方を追求しています。

観光関連事業者にとっても、これらのコンテンツはビジネスチャンスを広げる可能性を秘めています。地域に訪れる観光客がルールを守り、ポジティブな体験を得ることで、観光地の評価が高まり、再訪や口コミによる集客が期待されます。観光庁は、このようなメリットを広く普及させることで、地域経済の発展にも寄与したい考えです。

観光庁が提供するデータは無料で利用できるため、コストをかけずにマナー啓発の取り組みを始めることが可能です。これにより、小規模な観光関連事業者や自治体でも気軽に参加でき、全国的な取り組みの一環として多くの地域で採用されることが見込まれます。

今後も観光庁は、国内外から訪れる観光客が快適で持続可能な旅を楽しめる環境作りに注力していく予定です。観光業界全体が連携し、観光客一人ひとりの意識改革を促すことが、真に持続可能な観光地域の実現につながるでしょう。

⇒ 詳しくは観光庁のWEBサイトへ

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