2024年3月10日
労務・人事ニュース
採用の公平性を確保するための企業の取り組み
公正採用選考啓発動画~公正な採用選考について正しい理解と認識を深めよう~(厚労省)
就職活動は人生において非常に重要な段階であり、個人の将来や幸福に大きな影響を及ぼします。このため、日本国憲法では、職業を自由に選べる権利が基本的人権の一つとして認められています。しかし、この権利を実現するためには、採用過程における公正さが欠かせません。企業側が採用を行う際には、個人の尊厳を重んじ、応募者一人ひとりの基本的人権を尊重する必要があります。
公正な採用プロセスとは、応募者の能力や適性に基づいて行われるものであり、応募者全員に平等な機会が提供されるべきです。企業は、社会の一員として、人権を尊重し、差別を撤廃することに積極的に取り組む必要があります。これは、企業の社会的責任(CSR)の観点からも重要視されています。
人権は、生まれながらにして全ての人が持つ、生きていく上で基本的な権利です。人権問題は、偏見や差別を生む原因となり、特にインターネット上での侵害やブラ差別、同和問題などは、日本社会において深刻な課題となっています。これらの問題に対して、国や地方公共団体は、様々な対策を講じてきました。
採用過程においては、応募者の個人情報に関わる過度な調査や、能力に無関係な情報の収集は避けるべきです。健康診断や家族構成、居住環境など、応募者の適性とは無関係な情報の収集は、差別につながる恐れがあります。企業は、採用プロセスを公正に行うことで、応募者一人ひとりの基本的人権を尊重し、平等な就職機会を提供することが求められています。
このため、厚生労働省は、採用過程における公正さを高めるための啓発活動を実施しています。また、一定規模以上の事業所には、採用過程の公正さを確保するための人権啓発推進員を配置することが推奨されています。これらの取り組みを通じて、企業内での公正な採用プロセスの実現を目指し、就職の機会均等を保証することが、社会全体での課題となっています。
企業は、採用活動を行う上で、応募者の能力と適性に基づく公正な評価を心がけ、人権を尊重する文化を社内に根付かせることが大切です。これにより、社会全体での人権意識の向上と、差別のない公平な就職機会の提供が実現できるでしょう。
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